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ぼんやり、先程の事を思い出していると、自然と顔をほころぶ。
徳一が不意に小さな包みを手渡す。
「誕生日おめでとう。」
「‥ン?あっ、ありがと。」
二人がニコニコしながら、今日な買いに行ってンで‥と話す。
「開けんで、‥‥?しかし、何で二つなん?」
不機嫌そに、声を荒げながらゆう。中には、色違いのストラップ。
「相手の人にあげてや。‥」
眉間に縦皺をよせながら、
「無理やな‥やって、俺の家の話はせぇへん約束やし、‥‥まだ、友達に戻ったとこやから。」
そう言って、笑い飛ばしてやった。
「何やねん。オヤジ、ヨリ戻したンとちゃうン?」
「ヨリ戻すって何やねん!別れてへんわ。‥アイツとはずっと‥」
いいかけて止めた。
何を子供相手にムキにならなアカンねん‥‥
「まぁ、徳一もおじさんもええやん。色々あるって‥これからなんやから。」
笑いを堪えながら、二人の間に割り入る。
「何や、義行落ち着いてるやん?‥自分がうまい事いってるから余裕かぁ。‥邪魔したろか。」
徳一の肩を抱き寄せて耳打ちをする。
みるみるうちに顔が紅くなる。
「ちょっ、おじさんなにゆうたん?止めてや。」
慌てて徳一を俺から引き離す。
「何もゆうてへんで、 ‥なぁ、徳一。」
「‥ぉん‥///」
顔が紅いまま視線が泳ぐ。
「なぁ、何ゆわれたん?‥」
「‥なんもない、」
うつ向いたまま恥ずかしそうにしてるから、義行は徳一に
「‥後で、教えてや。」とだけ言った。
その姿を見て、ニヤニヤ笑うと
「おじさん、悪趣味やで。」
「ハンッ、睨んでも効かへんわ。」
「‥オヤジも義行も、もう止めてや‥‥」
言い合いする俺らを止めに入る。
「クスクス、徳一は照れ屋やな。」
「‥オヤジは、俺で楽しんでるやろ。‥‥」
「やって、可愛いやん。なぁ、義行?」
「当たり前です。徳一は一番可愛い。」
アハハー、俺は声をあげて笑う。
「仲良かったらそれでええ。俺、これ飲んだら寝るし先に寝てええで‥」
「ぉん‥ほなっ、おやすみ。」
「あぁ、おやすみ。」
二人が部屋に戻る。
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