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校庭を見下ろしながら思い出していた。
あの頃のドキドキした気持ちを‥
けど、あの日以来井本とは一切関わりはなかった。
俺は俺の日々を送っていた。
ただひとつ違ってたのは、ずっと井本の姿を探していた。
登下校の途中、昼休み、部活。
目立つ奴やった。いつでも友達に囲まれて、誰と喧嘩して勝ったとか
負けたらやり返せとか、物騒な事ゆうてた
大きな声を出す井本が恐かった。
それでも、憧れてた。
俺の中で井本は特別な存在やった。
はぁ~アカンやン
ついつい思い出してしまうわ
ホンマに女々しい
ため息をつくと、もう一度空を見上げる。
俺、お前の事ばっかし考えてんねん。
キッショイはなしやな‥って、わろてくれるか?
それとも‥
あほやなぁ~って髪をクシャッて撫でるやろか
ナンもゆわんでもええ‥
ナンもせんでもええ‥
‥‥逢いたいねん‥‥
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