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ジリリリー、カチッ。
‥アカン、眠たい。
最近、昔の夢をようみるな。やっぱ、あの頃に戻りたいンやろか‥
寝不足の身体を引きずって、ランニングに出かける準備をする。
外に出ると空気が澄んでいて気持ちが引き締まる。
いつものコースを走り、今日は川沿いで朝焼けを見ながらストレッチをする。
‥ヨシッ、いつもより調子がええなぁ。
身体は重くて頭は寝不足でボンヤリしてはいるが、心の中はスッキリとこの朝焼けのように輝いている気がした。
部屋に戻り学校へ向かう準備をする。
いつもと違うのは、義行が居ない事と、久しぶりの自転車での通勤。
‥アイツ、上手いこといってたらええなぁ。居らへんって事はきっと泊まっているはずやし。
自転車をこぎ冷たい風を受ける。
‥ン、ようわからへんけど今日はええ日になりそやな。
学校に着き、白衣に着替えて珈琲をセットする。
朝練の生徒たちが慌ただしく部活を始めている。
眺めながら、徳一の姿も見当たらない事に気付く。
二人揃って遅いのだから、仲良くしてるのだろう。
‥ハハハ、マジで思春期が暴走してたりしてな。
保健室に珈琲の薫りが漂い始める。
珈琲を淹れて一口飲むと、今日1日が穏やかに始まる感じがする。
‥何気ない日常がこんなにも幸せに感じるやなんて、久々やな。
ワクワクしてるのはなんでやろ?
‥初めて好きやってゆうたクラブハウスも、遅刻寸前に走った廊下も、アイツの背中を追い続けた校庭も全部今までと違って見えるな。
‥不思議なもんや。気持ち一つで変わるんや。
俺はいつも義行が見ている場所であの頃を重ねて眺めた。
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