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‥誘えるもんやったらとっくに誘とるわ。‥‥
「ハァー、もうええから学校行けや。」
「おじさん、かけるだけでもかけたら?」
「そうやで、昨夜も電話したんやろ?」
そう言った徳一を睨む。
「何ッで知ってんねん‥‥聞いとったんか?」
首を横にブンブンと振って否定する。
「いいや、今、知った。」クスクス笑いながら答える。
‥カマかけやがったな。
「///‥‥何ッやねん!からかうなや!‥‥」
「徳一、もうやめときや。おじさん照れてるやん‥‥クスクス。」
「でもや、折角の口実あんのに‥‥」
ふざけていても俺の事を心配して応援してくれているのがわかるし、徳一がまだ自分のせいでこうなったと思っているのもわかる。
だからと言って、はいそうですかと言って、かけれるわけがない。
「‥まっ、かけるとしたら後でな。お前らが居ったら向こうが気ぃ遣うしな‥‥」
「気ぃ遣うって、勘のええ人なん?」
義行は言葉じりをとって相手を探るように尋ねる。
「さぁ、どうやろか?ただ、俺の家庭を壊した無いんやと。」
「おじさん、その人凄い誤解してるやん。壊すも壊さへんもないやん。」
「やってな、聞いてくれへんからしゃぁないやん。‥ゆっくりと始めな‥‥」急にしんみりとした空気にいたたまれなくなった。
「俺、いつでもその人に会う覚悟があるからな。どうしようもなくなったら俺、その人に会いに行くから。‥‥やから、諦めんとってや。」
徳一の横で義行も一緒に頷く。
二人とも俺の為にきっとアイツを探しだして説得するつもりなんだろう。
「フッ、大丈夫や。子供が心配せんでええ。‥そんな事にならんようにゆっくりや‥‥わかったな。」
「ぉん‥」
朝飯をTVを観ながら食べ始める。
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