季節外れの‥‥12

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「何がおかしいねん。‥」 不本意に笑われて心外だとゆう顔をすると、 「やって、先生オカマやん。」 「‥ぉん、よく言われます。‥」 「なっ、皆がゆうてた通りやろ。」 「うんッ。」 「えっ?皆がゆうてんかいな‥‥俺、男らしいけどなぁ。」 二人ともが首を横に振り笑う。 キンコーン、カンコーン‥‥ 「んっ、チャイムやで早ょ戻りや。」 「はーい。また来るな。ありがとね。」 「先生、またね。」 「ハイハイ、今度はゆっくりしていってねェ~」 「あはは~、何の店ですか?」 キャッキャッと足早に去っていく。 ‥ええなぁ、女の子同士の友達も。手ェなんか繋いで。せやな、女の子は手繋げれるンや‥‥ クスッ、‥この発想がオカマかぁ。 コップを片付けて気合いを入れる。 「さぁ、今日の分をチャッチャとこなしてしまおか。」 ‥早ょ逢いたいやんな‥‥ 普段以上に真面目に仕事をこなしていく。 何時間目かの授業中に先程の生徒の担任がやってくる。二人してコーヒーを片手に煙草を吸いに喫煙所へ出る。 「先生、金曜日はありがとうございました。」 「いえいえ、今日は出てきてる見たいですね。」 「はい、前のように明るくて元気です。」 「そっかぁ、よかった。でも、気ィ付けてあげてください。もしかして、空元気ッてゆう事も有りますし‥‥まぁ、朝会った感じやと大丈夫やと思いますが‥‥」 「そうですか‥‥気ィ付けておきます。」 当たり障りのない会話をして、少し愚痴を聞いてから、コーヒーご馳走さまです。と、スッキリした顔で帰っていった。 フゥーっと、肩の力を抜き仕事に取り掛かるも、入れ替わり立ち替わり生徒や先生がやってくる。
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