季節外れの‥‥12

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気が付くと徳一が傍で俺の手を掴んでいた。 「先生、俺は先生の味方やから。‥応援するから。」 「‥?義行、どんな説明したんや?‥」 「うーん、そのまんまゆうたんやけどな‥」 コーヒーを淹れて椅子に座ると義行と徳一も傍に座る。 三人でコーヒーを飲みながら、義行が話し出す。 「何があったん。僕らにはゆうてや。話したらちょっとは楽になるやん‥‥」 気持ちが落ち着いた今、中々話しづらい。 「ん‥大丈夫や。やから教室に戻りや。‥」 「俺にも話してや‥先生のお陰で義行と上手い事いったのに、力になりたいねん。」 チャイムが鳴り昼休みが終わる‥‥だが、義行と徳一はそのまま俺の傍にいて 「大丈夫やから、教えてや‥」と、繰り返す。 大の大人が、たかが気持ちを清算出来ずに、切なくて涙が溢れて我を忘れるなんて‥間抜けや‥‥ 二人の優しさに甘えてしまう。 だから、つい‥‥ 「ありがと。‥聞くだけでええから‥‥」と言って話してしまう。 「この週末に、アイツと逢ったんや‥‥」 俺は詳しくはゆわずに、 ただ、金曜日の夜は仕事が終わるのを待っていてくれた事。 土曜日はもう一度アイツとの関係を考えた事。 日曜日には俺から友達でええからッて、ゆうた事。 そして、まだ俺自身友達に成りきれてない事を話した。 それまでずっと黙ったまま聞いていた義行が、 「‥アホやな、先生。その人は待っててくれたんやったら、なんで信じてあげへんの? ‥‥その人先生にムッチヤ惚れてるやン‥」 「せやな‥けどな、奥さんいてはるねんで‥‥それでも好きやから離れられへんねん。」 うつ向いてコーヒーを飲む。 「じゃぁ、なんでその人は‥‥変な言い方やけど、付きまとうン?ヨリ戻したいンやろ?そしたら、仲が悪いとか‥‥」 「ん、ちゃうと思う。‥アイツの格好見たら判るやんか、‥きっと綺麗好きの奥さんなんやなって‥‥想像つくやん‥」 ‥いつも趣味のええ服で、ええ匂いしてんねん。‥
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