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気が付くと徳一が傍で俺の手を掴んでいた。
「先生、俺は先生の味方やから。‥応援するから。」
「‥?義行、どんな説明したんや?‥」
「うーん、そのまんまゆうたんやけどな‥」
コーヒーを淹れて椅子に座ると義行と徳一も傍に座る。
三人でコーヒーを飲みながら、義行が話し出す。
「何があったん。僕らにはゆうてや。話したらちょっとは楽になるやん‥‥」
気持ちが落ち着いた今、中々話しづらい。
「ん‥大丈夫や。やから教室に戻りや。‥」
「俺にも話してや‥先生のお陰で義行と上手い事いったのに、力になりたいねん。」
チャイムが鳴り昼休みが終わる‥‥だが、義行と徳一はそのまま俺の傍にいて
「大丈夫やから、教えてや‥」と、繰り返す。
大の大人が、たかが気持ちを清算出来ずに、切なくて涙が溢れて我を忘れるなんて‥間抜けや‥‥
二人の優しさに甘えてしまう。
だから、つい‥‥
「ありがと。‥聞くだけでええから‥‥」と言って話してしまう。
「この週末に、アイツと逢ったんや‥‥」
俺は詳しくはゆわずに、
ただ、金曜日の夜は仕事が終わるのを待っていてくれた事。
土曜日はもう一度アイツとの関係を考えた事。
日曜日には俺から友達でええからッて、ゆうた事。
そして、まだ俺自身友達に成りきれてない事を話した。
それまでずっと黙ったまま聞いていた義行が、
「‥アホやな、先生。その人は待っててくれたんやったら、なんで信じてあげへんの? ‥‥その人先生にムッチヤ惚れてるやン‥」
「せやな‥けどな、奥さんいてはるねんで‥‥それでも好きやから離れられへんねん。」
うつ向いてコーヒーを飲む。
「じゃぁ、なんでその人は‥‥変な言い方やけど、付きまとうン?ヨリ戻したいンやろ?そしたら、仲が悪いとか‥‥」
「ん、ちゃうと思う。‥アイツの格好見たら判るやんか、‥きっと綺麗好きの奥さんなんやなって‥‥想像つくやん‥」
‥いつも趣味のええ服で、ええ匂いしてんねん。‥
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