季節外れの‥‥12

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「けど‥そんなん想像やろ?」 義行は俺に自信を持たせようとする。 黙ったまま首を横に振ってから、 「それにな、電話した時、誰も居らんってゆうたけど‥楽しそな子供らの声がしとった。」 今思うと今朝TVの音に混じって聞こえてた。そやけど俺はアイツの言葉に乗っかったんや。 「アイツは、今も昔も俺の事を考えてくれてんねん。今の電話もそうやねん。‥ ‥俺が変な考えせんように、俺が素直になれるように‥ ‥ゆう前に察してくれるねん。 ‥ 傍に居れる理由を‥‥」 話していてまた涙が滲む。 「友達やから‥ッて、言葉が今の俺には呪文のようなものや。‥ だから、逢っても大丈夫や‥ だから、一緒に居ってもええンや‥ッて、」 「自分で縛ってしもてどうすん。‥アカンッて、‥相手かてそんなん優しさやない。二股と一緒やんか。‥狡いやン‥自分だけちゃんと別に家庭持って、先生に思わせ振りで‥ ‥先生にだけ辛い想いさせて!‥ ‥最低やん!」 普段の義行からは想像出来ないくらいの剣幕で怒る。 「ちゃうねん。俺からゆうたねん。‥ お前の家庭を壊したりせんから、友達で居ってやッて、‥ 恨んだり、忘れたりでけへんから‥ 今でもまだ、好きやから‥‥もう、離れたないからッて、‥ 最後の我が儘訊いてくれ。ッて、 ゆうたんや。迷惑かけへんからって俺がすがってしもたンや‥」 情けない顔になってしまう。 「けど‥そんなん‥やっぱり、アカン。先生の気持ち聞いて知ってんのに‥やっぱり、最低やん‥」
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