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「けど‥そんなん想像やろ?」
義行は俺に自信を持たせようとする。
黙ったまま首を横に振ってから、
「それにな、電話した時、誰も居らんってゆうたけど‥楽しそな子供らの声がしとった。」
今思うと今朝TVの音に混じって聞こえてた。そやけど俺はアイツの言葉に乗っかったんや。
「アイツは、今も昔も俺の事を考えてくれてんねん。今の電話もそうやねん。‥
‥俺が変な考えせんように、俺が素直になれるように‥
‥ゆう前に察してくれるねん。
‥
傍に居れる理由を‥‥」
話していてまた涙が滲む。
「友達やから‥ッて、言葉が今の俺には呪文のようなものや。‥
だから、逢っても大丈夫や‥
だから、一緒に居ってもええンや‥ッて、」
「自分で縛ってしもてどうすん。‥アカンッて、‥相手かてそんなん優しさやない。二股と一緒やんか。‥狡いやン‥自分だけちゃんと別に家庭持って、先生に思わせ振りで‥
‥先生にだけ辛い想いさせて!‥
‥最低やん!」
普段の義行からは想像出来ないくらいの剣幕で怒る。
「ちゃうねん。俺からゆうたねん。‥
お前の家庭を壊したりせんから、友達で居ってやッて、‥
恨んだり、忘れたりでけへんから‥
今でもまだ、好きやから‥‥もう、離れたないからッて、‥
最後の我が儘訊いてくれ。ッて、
ゆうたんや。迷惑かけへんからって俺がすがってしもたンや‥」
情けない顔になってしまう。
「けど‥そんなん‥やっぱり、アカン。先生の気持ち聞いて知ってんのに‥やっぱり、最低やん‥」
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