季節外れの‥‥12

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純粋に聞かれると少し困るが、考えてから答える。 「うーん。せやな、大人はきっと見えへん壁や鎖に繋がれてンねん。‥‥ 俺は精一杯さらけ出したつもりや、お前らにこんな話すんのも変やけど、 やっぱり俺は自分よりアイツの幸せを願ってしまう。‥‥笑って暮らしていけるようにッて、‥」 伏せ目がちに寂しく笑ってしまう。 「でも、その笑顔の先には‥先生が居らへんのやろ?‥そんなん辛いやんか、‥ 俺は好きな人の笑顔は自分だけに向いてて欲しい。」 「‥ンッ‥そやな、出来ればそれが一番ええなぁ。‥」 徳一を見ると義行の横顔を見つめている。 「クスッ、‥義行‥」小さく呼んで徳一を指差すと、フワッと微笑ンで徳一を抱き寄せた。 余りにも自然にやってのけたので、 「そっかぁ、良かったな。‥」 「えっ、///‥うん、ありがと。僕の事おじさんが認めてくれてン。‥なっ。」 「‥ぉん‥」 「これからやな、今まで以上に話し合わなアカンで。‥すれ違わんようにな‥‥」 ‥きっと大丈夫、幸せに進んで行ける。 幸せそな二人は俺の心の中まで温かくしてくれる。 だから、心から笑顔になる。 「先生。あのな、僕らの前だけでも素直になっててや。‥」 「ン?‥」 「うまい事ようゆわんけど、片想いを楽しむみたいな‥‥さっきみたいに男前やし‥‥みたいなノロケ聞かせてや‥」 よくわからへん顔をしている俺にゆう。 「無理せんと、嬉しい事は嬉しいッて、‥腹立つ事は腹立つッて、僕らの前だけでもゆうてや。」 「俺ら話しか訊いてあげられへんけど、先生の気持ちがスッキリするまで利用してや。‥ ノロケ話聞かせてや‥何があっても好きなんやろ。」 「ぉん、好きや‥‥もうアイツの前ではゆえんけど‥‥名前を口にするだけで泣けるくらい‥好きや‥ね‥ん‥‥」 ゆっていて頬に涙が伝う。 「なっ、僕らが全部聞いたるから。」 「好きでええやん!俺らがついてるやん。やから、なっ、ゆうてや‥」 俺の手を握ったまんま何度も繰り返す。 二人があんまり優しく笑いかけるから、俺もつられて笑ってしまう。 「ありがと。‥」
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