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「徳一!イツまで寝てンねんー!起きんかぁ!!遅刻すんで」
いきなり布団を捲られ、叩き起こされる。
「オヤジ‥今日朝練休みや‥始業式やし‥」
眠たい眼を擦りながら、オハよと、付け加える。
「そっか‥まぁええやん、朝飯やでぇ」
はぁ‥プライバシーも何もあったもんやない。普段は仕事で居らん癖に、過保護過ぎんねて‥
寝間着のままで、顔を洗いテーブルに着く。週に1度有るか無いかの二人一緒の朝飯を食べる。全く料理のしなかったオヤジだが、母親が亡くなってはや5年、何とか食べれるものを作れるようになった。
大抵俺が料理するのだが、こんな風に家に居るときは必ずオヤジが作る。
「正月休みはなかったんや?」
「うーんそやね。今年はどっこも行けんで
ごめんな」
「もう子供とちゃうし、大丈夫やでぇ」
‥ホンマにいくつや思ってンねん
マジマジと顔を見てオヤジが
「ええ子に育って嬉しいわ。お母さんも安
心してるかな‥」
‥ええ加減にしてや。二言目にはお母さん
って、恥ずかしいわ‥
オヤジも無理し過ぎやし‥
「大丈夫やから、俺かて次高2やン。真面
目にやってるから心配せんと、ええ人
おるんやったら再婚したら~」
冷やかに笑らわれて、
「そんな事せぇへんよ。お母さんとの約束
はまもらなアカンの‥」
「5年も経ったらええンとちゃう?お母さん
も細かい事ゆわへんよ」
ご飯を食べながら言うと
「いっちょまえの口きいて、お母さんのお
前への想いはソンな軽いもんやない!」
パッコーン!
頭をはたかれた。
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