季節外れの‥‥13

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「ありがと!すぐ行く。‥行くから、何処なん?」 先程の不安そな声から一転してテンションが上がっている。 「ン、‥迎えに、いや、待ち合わせしよか?この間の公園‥ええか?」 俺にとって特別な場所になりつつある公園‥ あそこやったらケーキ屋さんも近くにあるし、買ってから行っても大丈夫やろから‥ 「おん。ほなら、30分後位でええよな‥」 「ン、‥あっ、俺ん家、ビールと焼酎しかないで‥」 「ええねぇ~。それで充分や。‥‥ムッチヤ楽しみやな。」 「ぉん‥」 電話をきり、楽しみやなッて、ゆうた台詞が胸に響く。 ‥アカンな、電話やとアイツの声を貪り訊いてしまう。 何でそんなに嬉しそな声をすんやろ。‥ 嬉しそに笑うアイツの顔を想い浮かべ、今度は待たさんようにジャケットを羽織って家を出る。
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