季節外れの‥‥13

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「ハハハ~、大丈夫ですー。」 笑いながら最後の一切れを、ウマッと言いながら食べ終える。 「よぉー、そんな甘いもん食べるわ。‥」 「何で?メッチヤ美味しかったで。」 嬉しそに笑ってビールを飲む。 その顔を見てると、こんなんで喜んでくれるンやったら‥‥と、色々考えてしまう。 「まっ、ええわ。そっちで座っときや‥後の用意は俺がするから。」 「おん。‥ほなっ、お言葉に甘えよか。」 ビール片手にTVの前に座る。 「なぁ、灰皿!」 「ン?‥ほれッ。」 座ったテーブルの上に無造作に置く。 「なんや、愛想悪ぅー。」 「じゃかましィわ。黙って待ってィ。」 無茶苦茶くつろぎ始めたアイツとは対称的に忙しなく用意をする。 「クックックッ、オカン忙がしそやな。手伝おか?」 「ええから、あんたはチャッチャと宿題しとき。‥」 「アハハー、もうやった。‥」 ビール片手に笑っている。 「お膳くらい拭いて。」 布巾を渡すと手馴れた手つきで綺麗にする。 「よぉー、似合うな。居酒屋の兄ちゃんやん。」 「何でやねん。」 笑いあいながら準備をする。 一通りセットし終わって俺もゆっくり前に座る。 ケーキを出してきて、焼酎をコップに注ぎ改めて、 「誕生日おめでとう。」 「ありがと。」 乾杯をして、箱からケーキを取り出す。 「やっぱ、ホールでないと雰囲気でんから一番小さいのやけど‥‥プリンの方がよかった?」 「いや‥プリンはまた、今度でええ。」 「ン?‥今度ッて、‥‥」 「次おぅた時やん。‥何で?おかしな事ゆうたか?」 「ぃや‥、」 また、今度があんねんや。‥ サラッと当たり前のようにゆわれて嬉しくなる。 小さな15㎝のホールケーキ。 上にはチョコレートのメッセージプレートもついてある。 蝋燭は3本。‥ 火を点けて正面を井本に向ける。
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