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「ハハハ~、大丈夫ですー。」
笑いながら最後の一切れを、ウマッと言いながら食べ終える。
「よぉー、そんな甘いもん食べるわ。‥」
「何で?メッチヤ美味しかったで。」
嬉しそに笑ってビールを飲む。
その顔を見てると、こんなんで喜んでくれるンやったら‥‥と、色々考えてしまう。
「まっ、ええわ。そっちで座っときや‥後の用意は俺がするから。」
「おん。‥ほなっ、お言葉に甘えよか。」
ビール片手にTVの前に座る。
「なぁ、灰皿!」
「ン?‥ほれッ。」
座ったテーブルの上に無造作に置く。
「なんや、愛想悪ぅー。」
「じゃかましィわ。黙って待ってィ。」
無茶苦茶くつろぎ始めたアイツとは対称的に忙しなく用意をする。
「クックックッ、オカン忙がしそやな。手伝おか?」
「ええから、あんたはチャッチャと宿題しとき。‥」
「アハハー、もうやった。‥」
ビール片手に笑っている。
「お膳くらい拭いて。」
布巾を渡すと手馴れた手つきで綺麗にする。
「よぉー、似合うな。居酒屋の兄ちゃんやん。」
「何でやねん。」
笑いあいながら準備をする。
一通りセットし終わって俺もゆっくり前に座る。
ケーキを出してきて、焼酎をコップに注ぎ改めて、
「誕生日おめでとう。」
「ありがと。」
乾杯をして、箱からケーキを取り出す。
「やっぱ、ホールでないと雰囲気でんから一番小さいのやけど‥‥プリンの方がよかった?」
「いや‥プリンはまた、今度でええ。」
「ン?‥今度ッて、‥‥」
「次おぅた時やん。‥何で?おかしな事ゆうたか?」
「ぃや‥、」
また、今度があんねんや。‥
サラッと当たり前のようにゆわれて嬉しくなる。
小さな15㎝のホールケーキ。
上にはチョコレートのメッセージプレートもついてある。
蝋燭は3本。‥
火を点けて正面を井本に向ける。
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