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飲み干したコップに注ぎながら、
「一人の方が楽ッて、マジでか‥普通に友達は?」
「クスッ、居ると思うか?‥‥」
目にかかる髪を弄りながら、一応居るかな‥と、付け足す。
「フーン、どんな奴なん?‥職場のか?」
少し声に棘がある。
顔には縦皺がくっきり入って不機嫌極まりない。
妬きもちを妬かれているようで可笑しくなる。
「ン‥隣の部屋の奴‥‥あっ今夜はいてへんで。」
「ン?‥ 」
(隣は義行やんな。何でや?。)
益々の不機嫌そになる。
「ど‥どしたん?‥」
考え込んだ井本に不安を覚える。
‥何か変な事ゆうたやろか。
すがるような瞳で見つめているのに井本が気付く。
「ン、なんもない。‥心配そな顔しぃなや‥‥ちょっと気になっただけや。」
俺の頭に手を置き、クシャッと撫でる。
その心地良さに思わず目を細めてしまう。
「で、‥‥どんな仲なん?」
「‥ンッ、普通に友達や。」
「何で仲よぉなったン?」
「えっ‥‥ええやん、別に‥」
まさかお前の事を相談してるなんてゆわれへんやん。‥
そう思うと顔が紅くなりうつ向いてしまう。
「ゆえや!‥何で顔紅いねん。ゆえや。」
かなり怒った口調でいい放つ。
「何、怒ってンねん。‥」
「ええから、ゆえや。‥どんな仲や。」
「クスッ、変やなぁ。 只の友達やで。‥別に‥部屋の行き来もないし、毎日顔合わして色んな話するだけや。
せやな、‥相談にのったり、のってもろたりッて、‥そんな感じや。‥」
「相談?」
益々眉間に皺が入る。
「クスクス、ホンマになんやねん。‥」
「 気になんねん。‥」
少し拗ねたように口を尖らす。
「隣は高校生やで‥‥」
「ン、まぁええわ。他に友達は?」
「他なぁー、‥そいつの仲ええ奴とも友達やな‥」
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