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「えっ!‥お前、友達ッて、高校生ばっかりか?」
呆れた返事が返ってくる。
「ンッ、せやよ‥だからゆうたやん。酒を飲むような友達は居らんッて、‥」
ケラケラ笑ってゆうと、益々呆れた顔で、
「お前今、何してん?」
「ン?‥高校の保健の先生。」
酒の力で口が軽くなる。
話している間に鍋が煮えて俺の取り皿に入れてくれる。
それを、ありがと、とフワッと笑って受け取り井本のコップに焼酎を注ぐ。
「それでか‥‥」
井本は一人納得したように呟く。
「ン、ええ奴やで。しっかりしてて、‥俺に勇気を分けてくれる。‥それにな、アイツも‥‥」
言いかけて止めた。
「ン?どしたん?‥」
「ぃや、個人情報やからアカンかってん。‥ごめん、‥」
「そやな、‥まっ、熱いうちに早ょ食べよや。旨いで。」
薬味を俺の前にまわす。
「ホンマに旨そやな‥ッて、お前が先やろ?お持たせで悪いけど。」
一応今日の主役は井本なんやからと、思い先にたべるよう勧める。
せやな‥と、悪戯っぽく笑い、
「じゃあ、‥あ~~ん。」
大きな口を開けて俺の前にくる。
「///‥なっ、何で食べさせやなアカンねん。」
頭をはたくが、ニカッと笑いながら
「やって俺、誕生日やもん。それくらいええやん。」
「チッ‥しゃぁないなぁ。」
「舌打ち、聞こえてんでー。」
嬉しそに笑ってもう一度口を開く。
「熱いで、気ィつけてや‥。」
震える箸で口元に持っていく。
「ウマッ!‥あっつぅー。でもムッチヤ、ウマッ!」
「熱いゆうたやん。聞きィや。」
ケラケラ笑ってゆうと、目を細めてアイツが見ていた。
「次、お前の番な。」
俺の口元に持ってくる。
「ちょっ‥待てや。何でやねん。」
「はぁ?順番やん。」
「ぃや、それは‥‥絶対熱いやろ。‥」
「我が儘やなぁ、フウフウしたったやん。ほらぁー、あ~ん。‥」
仕方なく?ぃや、嬉しそに口を開いてしまう。
そんなに熱いわけやなかったけど、恥ずかしさから
「あっ!熱いわ、無茶苦茶すんなや。」
と、悪態をついてしまう。
でも、二人ケラケラ笑って旨いなぁ、と箸が進む。
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