季節外れの‥‥2

4/13

44人が本棚に入れています
本棚に追加
/343ページ
徳一が出掛けて俺は仏壇の前に座る。 ‥のり君も春には高2やってはやいなぁ ‥なぁ大きぃなったやろ。ええ子に育った  で 先輩に似て男前やし、一人前の口き  きよる。アイツも薄々感付いてるみたいや  どうしょ‥先輩‥‥ 相変わらず笑ったままの写真に問いかける。 ‥《ええ人居るんやったら》って言われた  わ。ナンかバレてンやろか。 ‥けどな、もう偶然にでも逢うこともない  やろうな。そやけど‥俺はまだ忘れられ  へんねん。  先輩ゆうとったやン。  人は忘れる生き物やって。どんなに辛い  事や哀しい事があっても忘れてしまう。  忘れてないって事は、自分自身忘れたく  ないから、思い出してんやって。  先輩、誤解せんとってな‥  俺、今が幸せやない訳じゃないねん。  ただ、アイツに‥逢いたいねん‥‥  幸せで居るか知りたいねん‥ソレだけや‥   しばらくの間そうしていた。写真は何も語らない。けど、清見先輩の声が聴こえてきそうだ。 (無理させてごめん。) ‥ホンマに違うンやで、俺は俺の人生を  俺が決めて歩いてるから‥
/343ページ

最初のコメントを投稿しよう!

44人が本棚に入れています
本棚に追加