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徳一が出掛けて俺は仏壇の前に座る。
‥のり君も春には高2やってはやいなぁ
‥なぁ大きぃなったやろ。ええ子に育った
で 先輩に似て男前やし、一人前の口き
きよる。アイツも薄々感付いてるみたいや
どうしょ‥先輩‥‥
相変わらず笑ったままの写真に問いかける。
‥《ええ人居るんやったら》って言われた
わ。ナンかバレてンやろか。
‥けどな、もう偶然にでも逢うこともない
やろうな。そやけど‥俺はまだ忘れられ
へんねん。
先輩ゆうとったやン。
人は忘れる生き物やって。どんなに辛い
事や哀しい事があっても忘れてしまう。
忘れてないって事は、自分自身忘れたく
ないから、思い出してんやって。
先輩、誤解せんとってな‥
俺、今が幸せやない訳じゃないねん。
ただ、アイツに‥逢いたいねん‥‥
幸せで居るか知りたいねん‥ソレだけや‥
しばらくの間そうしていた。写真は何も語らない。けど、清見先輩の声が聴こえてきそうだ。
(無理させてごめん。)
‥ホンマに違うンやで、俺は俺の人生を
俺が決めて歩いてるから‥
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