季節外れの‥‥13

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煙草を吸い終えてベッドに戻ると、気配を感じるのかこっちに寝返りをうつ。 隣に潜り込み、抱き締める。‥ 「‥ンッ‥‥」 浅い眠りなのかボンヤリと目を開ける。 「一裕‥」名前を呼ぶと、ふにゃっとまた笑う。 「貴史‥‥ええな‥目が覚めても、夢でも‥‥お前が居るって‥‥」 そう言って、また目を閉じる。 幸せそな寝顔は、かえって俺を責め立てる。 抱き抱えるように俺も眠りにつく。 ───夢の中で学生の自分と話をした。 変な話や‥所詮、夢は夢‥‥ けど、学生の自分に聞きたかった。 何で大学へ行け、なんてゆえたんや? 何で俺は、一裕を手離したんや? アホな事してしもて‥‥ 今じゃ忘れてしまった記憶‥‥ ‥アイツは、俺と違って頭がええ。真面目にやれば真っ当な幸せがあるはずや‥ッて、お前が思たんとちゃうんかい。 「そやけど、そのせいでアイツは今、一人きりで泣いてんねん。」 ‥そんなん知ったこっちゃないわ。俺はお前でも、今のお前は俺やない。 結局、自分が悪いんやろ。アイツの性格を知っててやってる事やんか。 「‥ちゃう。俺は‥」 ‥最初の告白も思わせ振りに好きやろッて、聞いたり、初めての時もアイツから抱いてやッて、ゆわしたり、デートもそうや‥何もかもが自分からゆわんと、全部アイツからゆうよぉに仕向けて‥‥ 狡いンとちゃうんか? 言い返せない自分が歯がゆかった。 ‥アイツの優しさに、とっぷり浸ってただけの高校生活やったンやろが。 今がどうなってようと全部お前が悪いんやないか。 いつの間にか学生の俺は先輩に変わっていた。 ‥もう一度、一緒に居りたいんやろ?素直にゆわなアカンねん。拒まれるのを怖がってどうすんねん。 相手からゆうてくれるン待っててどうすんねん。 自分からゆわな‥‥ 「でも、訊いてくれへんやん‥‥」 ‥じゃ、何もかも棄てて一緒に居りたいッて、ゆわれた時、何で二人でッて、ゆわんのや? 「やって、アイツの人生壊してしまう気がしてん‥」 ‥重荷なんか? 「ちゃう!」 ‥いつもゆうてたやろ?人の人生は背負うもんとちゃう。一緒に抱えていかな。 プライド棄ててみ。 いつまで格好つけるつもりや?‥‥
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