季節外れの‥‥13

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頭を拭きながら、アイツの寝顔を見る。 眉間に皺がよって、俺を責めているように感じる。 震える人指し指で髪をソッとかき分けると、フッと微笑む。 ‥良かった、俺を拒んでない。 何故か先程の行為が許された気がした。 そう思えた。 部屋着に着替えて朝飯の支度をする。 〆の雑炊をしていない事を思いだし土鍋を火にかける。 コトコトと鍋が煮立って湯気をあげ始めた頃、後ろから視線を感じた。 振り返ると、いつの間にかテーブルで煙草くわえた貴史が俺を見つめていた。 「‥おはよう。」と、声をかけると傍にきて、 「一裕、おはよう」と、唇に音をたててキスをする。 「///‥なっ、何すんねん。」 「朝の挨拶やン。‥」 悪ぶれもせずにゆう。 「俺、一晩中考えてン。‥一裕の寝顔見てて思た。 好きやねん。‥‥もう、ゆっくりとか、訊いてくれるのを待つとか、無理やわ。」 「朝から、寝言か?‥」 動揺を隠してわざと素っ気なく言い放つ。 「ン。ちゃう。告白や。‥‥ いつも俺一裕に甘えてたから、なぁ‥‥ 俺と付き合ってくれ。‥ 好きやねん。一裕、もう絶対に手離さへんから、‥‥」 真顔で真っ直ぐにゆわれて茶化す事も、聞かなかった事にする事も出来ずに、‥‥ 「な‥何‥‥ゆうてンねん。まだ寝惚けてるやろ。シャワー浴びて目ぇ醒ましてこい。 」 真っ赤になりながら辛うじて井本を風呂に連れていく。 服をこれ見よがしに脱ぎながら、 「着替えあらへんけど?」 「あぁ、新しいの持ってくるから。」 「うん、洗濯物は?」 「洗濯機にほりこんどいてや。後で、一緒に洗っとくさかいに‥」 「ン。‥」 ‥呑気なもんや。 新しい下着とTシャツを用意して脱衣場に置き声をかける。 「置いとくで‥」 「ありがと。」 台所に戻り、朝飯の支度の続きに取りかかる。 ‥一体なんやねん。朝の挨拶にチューッて、‥ 新婚さんやあるまいし‥‥///‥‥ 自分で思って照れてしまう。
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