季節外れの‥‥2

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清見先輩の写真を見て、昔を思い出していた。 高校を卒業して直ぐに、1人暮らしを始め、小さな出版社のスポーツ雑誌の編集のアルバイトを始めた。何でもいい、兎に角、好きなサッカーに関わっていたかった。 カメラなんか触った事のない俺に、根気よく教えてくれた。 「見かけと違って真面目やね。一生懸命で  教え甲斐あるわ。」 と、よく言ってた。 女の人やのにサッパリしてて、はっきりとモノを言う。かなりキツイ事も言われた。 「辞めてまえー!」って何度も言われた。 仕事だけじゃなく個人的な相談事まで、のってくれて俺を一人前に扱ってくる初めての大人だった。 段々仕事も覚えて、一人でも取材をこなせるようになった頃、飲みに連れていってもらった時に、清見先輩にカミングアウトをした。 俺が一途に想って止まない忘れられないアイツの事を‥
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