季節外れの‥‥14

4/26

44人が本棚に入れています
本棚に追加
/343ページ
「ン?徳一は昔の俺に似てるから。」 「全然タイプちゃうやん。」 「好きなやつに対する想い方が似てンねん。‥ 意地っ張りで、恥ずかしがりやで、甘えたで、自分に自信が無くて‥‥ 傍に居る時はええンやけど、少しでも離れると‥‥不安やねん‥ 好きやからゆえん事が増えて‥」 前髪を弄りながら思い出す様に話す。 「多分、おやじさんもよぉ知ってンやろな。やから、早くお前と一緒に暮らす方がええッて、‥ 徳一と一緒に居って欲しいンや。」 「僕、全然気ィついてなかった。甘えたなんは知ってるけど、‥ 何でそんなに不安なん?」 「俺がゆうてもええンかわからんけど、‥お前を見る目が泣きそな時が多いッて、知っとった?」 「ううん、‥」 「お前が他の友達とかと仲良くしてんのが不安やねん‥頭でわかっててもな。」 黙り込んで心当りを探している。 「だから口ごもるンや‥変に甘えてきたり様子がおかしいとは思てたけど。」 「兆候はあったんや。」 「僕ちゃんと好きやってゆうてるし‥二人きりの時は‥」 「まぁそうやろうけど、仕方ないンや‥。 こればっかりは、二人で話するしかないな。」 そう言ってコーヒーを飲み干した。 「先生の時はどうやったン?相手の人はどんな風にしてくれたン?」 「エッ‥///。俺? 俺の場合、先に察してくれてた。」 「例えば?」 「‥///。あっ、アホか!ゆえるかー!」 恥ずかしくて立ち上がりコップを片付ける。 「教えてや。徳一が不安やったら失くしてやりたいやん。」 義行も立ち上がり俺の隣に並ぶ。 「はぁ~、あのな、徳一の事やから直接聞いた方がええッて、‥それだけでも安心出来るから。 自分の事を見ててくれてるッて、自信に繋がるしな。」 「そうなんや‥」 「あぁ、俺の事気にかけてくれてる。そう思えたら嬉しくなるやん。」 話を聞きながらも目線は徳一のランニング姿を追いかけている。 不意に窓際に駆け寄る。 「徳一ー!!」
/343ページ

最初のコメントを投稿しよう!

44人が本棚に入れています
本棚に追加