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「ン?徳一は昔の俺に似てるから。」
「全然タイプちゃうやん。」
「好きなやつに対する想い方が似てンねん。‥
意地っ張りで、恥ずかしがりやで、甘えたで、自分に自信が無くて‥‥
傍に居る時はええンやけど、少しでも離れると‥‥不安やねん‥
好きやからゆえん事が増えて‥」
前髪を弄りながら思い出す様に話す。
「多分、おやじさんもよぉ知ってンやろな。やから、早くお前と一緒に暮らす方がええッて、‥
徳一と一緒に居って欲しいンや。」
「僕、全然気ィついてなかった。甘えたなんは知ってるけど、‥
何でそんなに不安なん?」
「俺がゆうてもええンかわからんけど、‥お前を見る目が泣きそな時が多いッて、知っとった?」
「ううん、‥」
「お前が他の友達とかと仲良くしてんのが不安やねん‥頭でわかっててもな。」
黙り込んで心当りを探している。
「だから口ごもるンや‥変に甘えてきたり様子がおかしいとは思てたけど。」
「兆候はあったんや。」
「僕ちゃんと好きやってゆうてるし‥二人きりの時は‥」
「まぁそうやろうけど、仕方ないンや‥。
こればっかりは、二人で話するしかないな。」
そう言ってコーヒーを飲み干した。
「先生の時はどうやったン?相手の人はどんな風にしてくれたン?」
「エッ‥///。俺?
俺の場合、先に察してくれてた。」
「例えば?」
「‥///。あっ、アホか!ゆえるかー!」
恥ずかしくて立ち上がりコップを片付ける。
「教えてや。徳一が不安やったら失くしてやりたいやん。」
義行も立ち上がり俺の隣に並ぶ。
「はぁ~、あのな、徳一の事やから直接聞いた方がええッて、‥それだけでも安心出来るから。
自分の事を見ててくれてるッて、自信に繋がるしな。」
「そうなんや‥」
「あぁ、俺の事気にかけてくれてる。そう思えたら嬉しくなるやん。」
話を聞きながらも目線は徳一のランニング姿を追いかけている。
不意に窓際に駆け寄る。
「徳一ー!!」
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