季節外れの‥‥14

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顔面蒼白になった義行がグランドに駆け出して行く。 窓からグランドを見ると徳一が倒れている。 慌てて後を追いかける。 騒がしくなり始めたグランドに他のサッカー部員達も集まってきた。 「徳一!!大丈夫か!」 義行が徳一の上体を起こそうとするのを止めて、先ずは様子を窺う。 「何があったんや?」 義行が部員達に聞いている。 「わからへんねん。ランニングしてたら急に‥フラついて、あっ、て思ったら‥‥」 声をかけていると、意識が戻りぼんやりとした顔で俺を見る。 ホッとして、優しく訊ねる。 「痛いとこはどこや?」 「エッ‥ない‥‥」 何が起こったかわからない顔で応える。 「そっか、徳一。お前倒れたンやで‥気持ち悪ないか?吐きそうとか目眩とか‥‥」 「‥あ、ちょっと頭がボォーっとしてる‥‥」 ゆっくりだがしっかりと応える。 顔色は少し悪いが特に異常は見当たらない。 ‥ン、特に心配する必要もなさそやな。 頭も打ってないようやし、保健室に寝さして様子みよか‥‥ 「義行。先に徳一をベッドまで連れて行ってくれるか?俺、顧問の先生に話して来るから。」 「うん、‥徳一、立てるか?」 「大丈夫‥」立ち上がろうとして足元がフラつく。 義行が抱き抱え支える。徳一の耳元で、 「徳一、僕に寄りかかってや‥」 「‥///‥ややぁ。」 義行の手を払いのけ歩き出すが、足元が覚束ない。 「肩貸すから‥」 徳一の腕を肩に回す。 「ン、ごめん‥‥」 不意をついてそのまま抱き抱える。‥俗にゆうお姫様抱っこで連れていかれる。 「や‥止めろや、下ろせや。」 「アカン。‥じっとしててや、落ちるで。」 顔を覗き込んで微笑むと、 「けど、‥みんな‥見てるし///」 恥ずかしそに僕を見る。 「ええねん。徳一に誰も手を出さん様に見せつけてンねん。」 そう言って、抱き直す振りをして頬にキスをする。 「あっ、///‥‥アホか。」
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