季節外れの‥‥14

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‥ヤバイな。かなり、溜め込んでるみたいや。 「義行と上手い事いってるとちゃうンか?」 「‥‥」 やはり、黙りこむ。 「毎日、一緒なんやろ?‥喧嘩したわけやないな。 何か‥‥ン、せやな、義行が信じられへんとか‥」 なるべく、優しい声で聞くと 「ちゃうし、‥信じてる‥‥けど、」 ‥あぁ、俺と一緒やな。好きやからこそ、相手の気持ちがわからへんねんな‥‥ 漠然とした不安や‥ 「なら、三人で話しよや。‥義行、入って来いや。」 カーテン越しに立ち聞きしている筈の義行を呼ぶ。 「徳一‥」 声をかけるがうつ向いたままだ。 義行に徳一の隣に座る様に言い、話を始める。 「さぁて、徳一の寝不足の原因は俺を含めた義行と仲良ぉする奴らやな‥」 いきなりの本題に徳一の身体が萎縮する。 「大丈夫や‥心配せんでもええから。 ホンマやったらほっとくンやけど、お前ら二人は特別やから‥‥」 「‥ぉん、けど俺が悪いンやし‥‥」 「不安になる事は悪い事やないで。」 徳一の頭を撫でながらゆう。 「僕が悪いンや‥なっ、徳一‥」 それを聞き黙って首を横に振る。 「さっきもな、義行に話したけどお前最近泣きそな顔してるしな‥‥ もっと早ょ、ゆえばよかったンやけど‥」 「先生、もうええから‥」 義行が徳一の手を握り、 「徳一‥こっち向いてや。先生や無く、僕が悪いンや。 護るつもりやったのに、周りばっか見てて肝心の徳一見てへんかったんや‥‥ ごめん‥‥」 二人とも黙り込んでしまう。 「なぁ、徳一、こっち来てみ。」 カーテンを開け義行のいつもの定位置に座らす。
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