季節外れの‥‥14

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あまりに想い耽って居たのだろう、義行が隣に座ったのも気付かなかった。 「先生どうしたン?」 「ン?‥何や‥ついててやらんのか?」 「うん、少し眠った方がええから、今は安心して眠れるみたいやし‥‥」 カーテンの隙間から徳一の寝顔を見る。 「そっか‥まぁ、家に帰ってからイチャつきや。」 と、いつもの様に茶化すと 「せやな、今夜は思春期が暴走や‥」 と、悪戯ッぽく笑う。 「アハハ、そんなけ軽口叩けるンやったら大丈夫やな。 一応、倒れたンやからおやじさんに連絡入れといた方がええかもな。」 「うん‥そやけど、入れんとってくれって。」 「ン?なんでや?」 「仕事の邪魔したないんやって。血相変えて帰ってくんの目に見えてるから‥‥ 僕が居るからええッて、ゆうてたし‥‥」 「俺から入れとこか?」 「うーん、止めといてや‥徳一が嫌がってるから。 もし、なんかあったら先生に電話してもええ?」 「あぁ、かまへんで。お前の携帯鳴らそか?」 番号を鳴らし登録する。 「夜中でもなんかあったら電話すんやで。」 「うん‥ありがと。」 少し徳一の様子を窺ってみると、只の寝不足のようで枕を抱き抱えて眠っている。 どちらかとゆえば‥‥爆睡中。 「よぉ寝てるやん。」 「うん‥ホンマに可愛いなぁ。」 「えっ?どこが?」と笑うと 「ほら、口元とか少し笑ってて‥‥枕にスリスリしてて。ギュッてしたなるやん。」と、嬉しそに笑う。 「俺には只のガキんちょにしか見えへンけど‥」 と、呟き頭を捻る。
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