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ベッドでは、背中を向けて布団を被った徳一が怒っていた。
「さっきゆうたばっかりやのに。」
「ちゃうんやて‥聞いてや。先生がプリンの美味しい店教えてッて、‥‥」
布団を引き剥がし、抱き締める。
「何がプリンやねん。手握ってたやんか。」
真っ直ぐな瞳で義行を責め立てる。
しかしそれが義行には嬉しかった。
今まで口ごもって素直な感情を押し殺していた徳一が正面からぶつかってくるから。
徳一‥と優しく名前を呼んで正面から抱き締める。
髪に手をかきいれながら、
「先生な、今夜逢うんやって。その人な、プリンが食べたいッて、ゆうたらしいんや。
やから‥‥」
ジッと目を反らさずに微笑む。
「‥‥ホンマに?」
恐る恐る義行の頬に手をやり 、瞳の中に嘘が無いか確かめる。
「ホンマや。‥」
徳一だけに見せる笑顔を浮かべる。
「‥うん、わかった。‥」
そう言って義行の胸に顔をうずめた。
「徳一もケーキ好きやろ‥今日は僕らも買って帰ろか?」
「ぉん、‥けど、義行の奢りやで。
やから、うんと甘いやつがええ。」
上目遣いで見つめる徳一の顎に手をやり、上を向かせる。
「甘いやつがええンやな‥‥
今すぐあげるやん‥」
軽く唇を重ねる。
「ン‥‥こんなん、甘ないやん‥ 」
と、挑発的に笑うので、
「やったら‥‥これは‥‥」
「ンっ‥‥やぁッ、はぁぁ‥‥ン‥」
「徳一が‥‥ン‥ゆうたンやで‥ンっフゥ‥‥」
「あっン‥‥ちゃ‥ウんっ‥‥」
隣に先生が居る事も忘れて、徳一の舌を堪能した。‥
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