季節外れの‥‥14

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声が聞こえなくなり、くぐもった息遣いが微かに聞こえてくる。 ‥ここ、保健室やで‥‥勘弁してや‥ 暫くして義行が出てくる。ベッドでは、徳一が頭まで隠して丸くなっている。 照れくさそに、 「先生のせいでケーキ奢る羽目になったやんか。」と、笑う。 「悪かった。‥徳一もごめんな。‥」 「///‥ええから、こっち見らんとって‥」 小さい声で返事をする。 「徳一、恥ずかしがってるやン‥お前無茶苦茶やで。」 「ハハハ、しゃぁないやん。涙目で上目遣いで見つめられたら、僕かって暴走するって。 まだ、我慢してる方やン‥」 「///‥‥黙ってぃー!」 「はぁ、苦労すんなぁ。俺いつでも相談にのんで?」と、本心から思った。 ‥でも幸せなんやろな。 徳一の姿を見てそう思った。 急に真剣な表情の義行が 「先生ありがと。先生が居って良かった‥ 僕らの関係を当たり前の様に受け入れてくれるやンか。だから、素直に徳一に好きッて、ゆえるねん。 やから、先生も、話してや‥頑張ってや。」 「ぅん‥ありがと。でもホンマに今日は顔見に来るだけなんや‥‥」 自分自身が期待せんように念をおしてしまう。 部活終了のチャイムが鳴り、のそのそとベッドから徳一が出てくる。 「徳一、まだ寝てたらええッて、‥僕が鞄取ってくるから。」 「ええッて、自分でするから校門で待っててや。」 と、キツく断られた。 勢いよく駆け出す後ろ姿を見て俺は笑いが込み上げてきた。 「クスクス、お前が悪いわな。‥お姫様抱っこなんかするから。」 「そうなん?でもそのお陰でこれからは、誰も徳一に手出さんやろうし‥」 まるで計算ずくの様に笑う。 俺も片付けを済まして着替えながら、 「ホンマに徳一可哀想やな。‥次になんかあったら、皆の前でキスでもしそうやな。‥」 その言葉に、それええなぁ‥と返事をする。 もう何もゆえずに苦笑するしかない。 ‥まぁ、妬きもち妬きの徳一の不安を拭い去るには丁度ええンやろうけど‥‥
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