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重い足取りで部室に入っていくと、皆が一斉に俺を見る。
「藤原、もう大丈夫なんか?」
口々に訊ねてくる。
「ぉん、ちょっと寝不足気味やっただけやし。寝たら治った。」
他の皆も心配してよってくる。
「マジ、倒れた時は吃驚したで、」
「なんやったン?」
「明日の朝練休んでゆっくり寝た方がええで。」
口々に、ゆわれて
「ぉん、ごめんな、心配かけて。」
と、謝るしかなかった。
大した事が無かったのがわかると、今度は皆が一斉に冷やかし始める。
「しかし、義行速かったな。何処で居ったんや?」
「そうそう、俺も思った。尋常や無いで。」
「アイツ、藤原の事となると怖いときあるやろ。」
うん、あるある‥‥と、徳一の方をニヤニヤと見る。
「なっ‥なんやねん。俺そんな義行知らんし‥」
「クスッ、気ぃ付いてへんねんや。藤原の事名前で誰も呼ばへんやろ?」
「ぉん‥‥」
「最初に義行から睨み効かされたぁるから。」
「せやで、徳一って呼んだらスッゲェー怖いし。」
皆の顔を見ると嘘をついているようには思えない。
「お前だけ特別やねん。‥隠さんでもええッて、付き合ってンやろ?」
「‥/////‥うん。」
否定すんのが嫌で正直に答える。
皆が一斉にやっぱりッて、笑うので少し安心する。
「あんな風にお姫様抱っこされたら、俺も彼女欲しなる。」
「俺なんか、義行のファンやったのに‥‥」
「俺は、藤原狙ってたのに‥」
「そうやろ、俺も藤原狙ってた。」
「嘘、俺義行狙いやったぁ。」
と言い出す奴迄いて、少し頭にきたが、皆男同士とかに拘って無いのが救いだった。
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