季節外れの‥‥14

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話は保健医の藤原先生に移っていく。 「あの先生も色っぽいでなぁ。」 「知ってる。俺、電話してンの見て惚れてしまいそやねん。」 「そうそう、ガタイええのに仕草が‥‥たまらんよな。」 何人かは、ショックやぁ‥ッて、叫んでいた。 この間の電話の件や、 泣き腫らした目を見たとか、 バス停で夜恋人を待ってたとか、 夕焼けを男同士で雰囲気良く眺めてたとか、 兎に角、噂が飛び交っていた。 俺に先生はどうやねんッて、聞いてくるがこればかりは迂闊に話する訳にいかず、 「義行が待ってるから‥‥」 と、早々に部室を後にはした。 まさかの先生の人気に驚く。皆がそれほどの関心を持って先生を見ていたとは、思いもしなかった。 それだけ俺は、義行しか見ていなかったのだろう。 急いでグランドを過ると、校門で義行が大きく手を振り待っていた。 走って駆け寄ると、俺の方に走ってきて、 「走ったらアカンッて、‥倒れたンやろ。‥ ゆっくりでかまへんから‥‥」 そう言って俺の肩から鞄を取って持ってくれる。 「自分で持てるし‥‥」 口を尖らせて文句をゆうと、義行の顔が近づいてくる。 困った様に笑い、思いっきりホッペを引っ張ってやる。 「ひっ‥‥痛い‥」 「何を考えてンねんや!」 「ン?徳一の事‥」 紅くなった頬を擦りながら、悪びれずにゆう。 「いっぱい人が居るやろ!」 「ン?居らんかったらええねんや。」 「///‥ちゃっ、ちゃうし‥‥」 思いっきり義行に笑われていると、 「ごめん、遅くなって‥‥」 先生がバタバタと駆け寄ってくる。
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