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こんな風に走ってくる事自体、なんか憎めんよな。‥と、思う。
「先生、部室で大変やってンで。」
「ン?そりゃそうやろ。あんなの見せつけられたら、皆が茶化すやろ。」と、声をあげて笑う。
「ちゃうねん。先生の事やで、‥気ぃつけなアカンで。皆、先生狙ってるから‥」
「俺、なんもしてへんし‥何で‥。」
「案外、行動見られてるし。夜、バス停でとか、男の人と歩いてたとか、‥あと、保健室の電話は禁止や。色っぽ過ぎるらしいで。」
話を聞きながら恥ずかしそに前髪を弄る。
「それっ!そいゆう仕草もヤバイって。」
困った様に笑い、
「気ぃつけなアカンな‥‥アイツと居ったとこ見られてたんや‥
迷惑かけてしまうな‥‥」
と、落ち込んでいく。
「ちゃうから、心配はそこやない。相手やなしに先生の身が危ないねんて‥‥」
義行が隣でクスクス笑っている。
あまりに的外れな心配が先生らしくて可笑しかったのだ。
「あのな先生、マジで電話は授業中にせなあかんよ。先生の返事って吐息やん‥
口説かれてて、身を捩って‥‥
喘ぎ声と一緒やん‥ッて、ゆう感じやで。」
「/////‥‥嘘やろ‥」
余りに恥ずかし過ぎて、顔を真っ赤にして視線が泳ぐ。
「ホンマやって‥だから、僕電話の時に喫煙所に行きってゆうたんやで。」
徳一と義行にゆわれて初めて気づいた。
‥迂闊な事してたんや。と、頭を抱えてしまう。
しかし、口からは言い訳が洩れる。
「しゃぁないねんッて、アイツ狡いから‥‥
弱いの知ってて囁く様に話をするし、耳元に直やから勘違いしてまうし‥‥
電話やと、優しいし‥‥‥」
「まぁ先生は、色っぽいオカマやからな‥」と、義行が揶揄う。
「せやな、乙女過ぎるとこもあるし‥‥」と、徳一までもが言い出す。
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