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目に掛かった髪をそのままに上目遣いでうらめしそに二人を見る。
「ほらっ、そうゆうのがアカンのやって‥‥
俺かて、そんな目で義行見てると思うと妬きもち妬くし‥」と、すかさず徳一が怒る。
「‥そんなつもりやないんやけど‥‥」
落ち込んでいく先生を見て義行が徳一に
「あんまり苛めたら可哀想やで。僕には、徳一の涙目の方がグッとくるし‥‥
おんなじ上目遣いやったら、徳一の方が可愛いで。」
「/////‥‥そっ、そんなんやないやろ‥」
サラッと、義行が俺に耳打ちしたので恥ずかしくなる。
三人で歩きながら先生の相手の話を訊いた。
毎日の電話の話や、受験の話を‥‥
だからこそ、受験を理由に別れたりせんように‥ッて、言われた。
相手の事を恥ずかしそに話す先生が幸せそに見えて‥‥
それでいて、悲しそで‥‥‥
「‥俺が、浮気相手ッて、事は百も承知やねん。‥
けどな、逢いたいってゆわれたら‥‥やっぱ、逢いたいやんか。そしたら、なんかしてあげたいやん?
笑顔を見たいやん‥‥
逢ってる時は、笑ててほしいやん‥
今度はプリンなッて、ゆわれたら‥やっぱ、旨いのを探すやろ?‥」
そうゆうた目はやっぱり悲しくて泣いてるよにも見えた。
大人ッて、大変なんや‥‥
違うか‥‥一度スレ違ってしもたら取り返しつかへんねんや‥‥
漠然とそう思って義行の手を握る。
俺が握った力より強く握り返して、
「ンっ。‥‥ 」と、何もかも伝わった様に笑ってくれた。
それが、嬉しかった。‥‥
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