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「先生も食べるンや。」
「あぁ、俺も食べらなアイツ気ぃつこて食べてくれへんから‥」
「そうなんや。」
「けど、結局は4つともアイツが食べると思うけどな。」
と、嬉しそに笑う。
「ええ大人がプリン好きッてゆうんはどうなんやろ。」と義行が揶揄うように笑う。
「徳一やって、大人になってもきっとプリン好きやで?その時におんなじ事ゆえるか?‥きっと怒るで。」挑戦的に言い返す。
「グッ‥‥言えません‥‥徳一はOKです。可愛いから‥」」言葉に詰まる義行が新鮮に見える。
‥そっかぁ、いっつもこんな感じで先生と話してんねんや。
二人のやり取りを眺めていた俺に
「徳一はもう決まったンか?」
「うん。今、詰めてもろてる。」
「そっかぁ、じゃぁ、ここは俺がまとめて払うな。ええ店おせてくれた礼やから。」
「ラッキー!ご馳走さま。」
義行がすかさず礼をゆう。
「ほなっ、義行の奢りは今度やで。約束したんやから。」
「えぇ~」
「当たり前やんか。先生に奢ってもらうんやから。」
「‥しゃぁないか。また今度な。」
「おん。」
俺が笑ったら、義行は幸せそに目を細めて頭をクシャクシャっと撫でてくれた。
先生の気持ちが少し理解出来た。
また今度ッて、約束出来る幸せ‥‥
心が暖かくなって義行がより近くに感じられた。
そう思って義行を見ると、何もかも見透かした様に俺を見ていた。
店を出て先生と別れて後ろ姿を見送ると、大きな身体なのに何故か可愛く見える。
「先生ッて、ホンマに可愛いよな‥‥」
「ン?‥徳一の方が可愛いで‥‥」
と、耳元で囁く。
わざとらしく眉間に皺を寄せて嫌そうな顔をしてやる。
「クスッ、そんなとこなんかムッチャ可愛い。」と、一層目を細めて笑う。
「そやなくて、先生の事やろ。‥
相手の人が羨ましいと思わへんか?」
「せやな、先生‥‥一途やから。‥ 」
「あんなに大事そにプリン持って‥‥きっと喜ぶ顔が浮かんでンやろな。」
「うん。‥ただ、喜んで欲しいって‥‥それだけなんやろな。」
「先生‥‥一緒になれたらええのに‥」
「‥うん‥‥」
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