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頭がぐじゃぐじゃで何を言ってるのか解らない。
けど‥‥ずっとずっと思ってた。俺は?
少し驚いた顔をした義行がゆっくり俺を膝の上に抱いて、ハッキリと断言してくれた。
「徳一は僕のもんや。僕以外の奴に触れさせん。」
そうゆうて、髪に指を入れて頭を抱き抱える。
「じゃ‥ぁ‥‥なんで、印が、‥‥印が、ないん?‥約束してくれへんねん。‥‥俺ばっかし、‥‥義行を、縛りつけてる、みたいや‥‥ン‥‥」
それを訊いて困った様に笑って、
「ン‥正直にゆうな。‥‥」
俺の頭を撫でて、引かんとってや‥と小さく囁く。
「徳一の身体に印を付けて無いんは、クラブで着替える時に見えるから‥‥
そしたら、想像されるやん。‥嫌やねん。
そうゆう目で徳一が見られるが我慢でけへんねん。」
そうゆうて情けない顔で自傷気味に笑う。
「変な奴やろ。‥‥
せやから、ホンマはクラブにもいってほしないし、体育の時間なんかも我慢でけへん。
他の誰かと組んだり引っ付いたり‥‥」
「義行、だから皆に俺の事名前で呼ばさへんのか?‥」
「ぅん、‥知ってたんや‥‥」
バツの悪そに眉がハの字になる。
「今日皆から聞いた。‥‥お前だけ特別やって。」
「そっ‥か、嫌やった?‥‥ごめん。」
俺の頭を撫でる手が止まる。
顔をあげて義行を見つめ、
「ううん、‥ややなかった。‥‥けど‥やっぱ、義行から直接訊きたい。
俺な、アカンねん‥‥悪い方に考えてしまうねん‥‥
ホンマに、義行は俺から離れへん?
どっこにも行かへん?
嫌いになったりせぇへん?
飽きたり、‥忘れたり、‥見棄てたり、‥
‥‥‥せぇへん?‥」
俺は情けない程涙が溢れて止めれなかった。
目の前の義行が居なくならない様に、繋ぎ止めて俺だけのもんやッて、思いたかった。
そして、俺も義行のもんやッて、‥‥‥
俺を優しく抱き直してから、
「今から僕がゆう事、する事を全部憶えててな。
忘れたりせんように、‥」
そうゆうて両頬に手を添えて、目を閉じたらアカンで‥と小さく囁く。
ゆっくりとおでこにキスを落とす。‥そして、目元にもキスをする。
「徳一の瞳には僕しか見えてないよな。‥僕だけが映ってる?
これからもずっと一番近い場所で僕だけを見ててや。
徳一は僕のもんやから、この距離に居るんは僕だけやから。‥‥」
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