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俺の部屋の前で止まり、鍵が開く。
カッチャ‥‥
「ン?‥起きてたンや。‥‥ごめん、ただいま。」
そうゆうて嬉しそに部屋に入ってくる。
「あっ、お帰り。‥お疲れさん。」
キッチンから声をかけると、一層目を細めて傍に来る。
「今なん?もしかして、あれから仕事やったンか?‥悪かったな、無理させてしもて‥」
あれから‥‥そう、風呂に入ってから‥‥
そんな事を考えると顔が紅くなる。
「ちゃ‥うから‥録り溜めてたビデオ観てたら時間経っててん。」そうゆうて笑うと
「クスッ、ありがと。」と、頬にキスをくれた。
それから当たり前のように前回の場所に上着を脱いで掛けている。
俺はそれを横目で見ながら、
‥クスッ、ホンマに新婚さんみたいや。なんで当たり前の様に、ただいまでチュッやねん‥‥と思い恥ずかしくなる。
手を洗ったアイツがご飯を盛りに傍に来る。
横に並んで揚げたてのはさみ揚げを盛り付けて海老をおき、タルタルソースをかける。
「貴史、先に風呂に入る?」
「出来立て食いたいから後でええ。」
テーブルに並べながら答える。
「ビールは‥?」
「俺、今夜はええ。一裕飲みィや。‥前の様子やと大分いけるんやろ?」
「ぅん、けど仰山いらへんから‥‥コップで半分こしよか‥」
「ほな、乾杯だけな‥」
グラスを置いて二人でテーブルにつく。
TVを点けるが特に観るものもなく消してしまう。
グラスをもって、
「じゃぁ、お疲れさん。‥」
「おん、待ってくれててありがと。‥」
カチンっ、と鳴らして喉を潤す。
その様子を貴史がじっと見ていた。
「何を見てンねん。‥さぁ、食べんで。」
「おん。頂きます。」
味噌汁に口をつけ、
「ウッマァ~。やっぱ上手やな。」
それからはさみ揚げに手を伸ばす。
「なん?これ、スッゴいな。梅肉やんか。‥‥ムッチャ、美味い!」
ホンマに美味しそに食べ始める。
「‥ン、よぉ分からへんから鶏肉と牛ミンチの両方したねん。‥‥口におうたらええけど‥‥」
美味しそに食べてるのを見て安心して俺も食べ始める。
「イヤイヤ、両方共美味いって。‥なぁ、明日これ、弁当にしてや。」
「ええけど、冷めたらどうか知らんで。」
「大丈夫や。冷めても美味いって。‥」
口一杯に頬張りながらゆう。
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