季節外れの‥‥15

5/13

44人が本棚に入れています
本棚に追加
/343ページ
俺の部屋の前で止まり、鍵が開く。 カッチャ‥‥ 「ン?‥起きてたンや。‥‥ごめん、ただいま。」 そうゆうて嬉しそに部屋に入ってくる。 「あっ、お帰り。‥お疲れさん。」 キッチンから声をかけると、一層目を細めて傍に来る。 「今なん?もしかして、あれから仕事やったンか?‥悪かったな、無理させてしもて‥」 あれから‥‥そう、風呂に入ってから‥‥ そんな事を考えると顔が紅くなる。 「ちゃ‥うから‥録り溜めてたビデオ観てたら時間経っててん。」そうゆうて笑うと 「クスッ、ありがと。」と、頬にキスをくれた。 それから当たり前のように前回の場所に上着を脱いで掛けている。 俺はそれを横目で見ながら、 ‥クスッ、ホンマに新婚さんみたいや。なんで当たり前の様に、ただいまでチュッやねん‥‥と思い恥ずかしくなる。 手を洗ったアイツがご飯を盛りに傍に来る。 横に並んで揚げたてのはさみ揚げを盛り付けて海老をおき、タルタルソースをかける。 「貴史、先に風呂に入る?」 「出来立て食いたいから後でええ。」 テーブルに並べながら答える。 「ビールは‥?」 「俺、今夜はええ。一裕飲みィや。‥前の様子やと大分いけるんやろ?」 「ぅん、けど仰山いらへんから‥‥コップで半分こしよか‥」 「ほな、乾杯だけな‥」 グラスを置いて二人でテーブルにつく。 TVを点けるが特に観るものもなく消してしまう。 グラスをもって、 「じゃぁ、お疲れさん。‥」 「おん、待ってくれててありがと。‥」 カチンっ、と鳴らして喉を潤す。 その様子を貴史がじっと見ていた。 「何を見てンねん。‥さぁ、食べんで。」 「おん。頂きます。」 味噌汁に口をつけ、 「ウッマァ~。やっぱ上手やな。」 それからはさみ揚げに手を伸ばす。 「なん?これ、スッゴいな。梅肉やんか。‥‥ムッチャ、美味い!」 ホンマに美味しそに食べ始める。 「‥ン、よぉ分からへんから鶏肉と牛ミンチの両方したねん。‥‥口におうたらええけど‥‥」 美味しそに食べてるのを見て安心して俺も食べ始める。 「イヤイヤ、両方共美味いって。‥なぁ、明日これ、弁当にしてや。」 「ええけど、冷めたらどうか知らんで。」 「大丈夫や。冷めても美味いって。‥」 口一杯に頬張りながらゆう。
/343ページ

最初のコメントを投稿しよう!

44人が本棚に入れています
本棚に追加