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だいぶ長い間写真を見つめていた。
先輩がどんなに大切に想ってたかをのり君に伝えたい。今の俺にはソレが全てだ。
‥さぁ、洗濯でもしよか。今日もええお天気や!
仕事の鞄から着替えを取り出し洗濯機にほりこむ。スイッチを押して、昼飯を考える。
‥ホンマに主夫やね~。板に付いてきたな。
空いた時間に軽く掃除機をかけ、家のなかを片付ける。冷蔵庫を覗き買い物をチェックしてると、携帯にメールが届く。
《昼飯いらんよ》
徳一君! ソレはないやろー!
一挙にテンションが下がってしまった。
昼までって聞いたから、仕事行くまで一杯話出来ると思ったのに、ソレはないやろってー!
まぁいいか‥相手はわかってるし。どうせ、義行やろ。
《了解》と、だけ返信する。
仕方がない。もう自分の世界を創っていく歳やから。友達?は大事にせなな。
(嫌がらせも兼ねて、のり君の部屋掃除機
かけといたろ)
中々キレイに片付いている。
何処かにナンか隠してあったら、おもろいのにな‥
そんな事を考えながら2階の部屋を掃除する。
窓を開け放し空気を入れ換える。ゾロゾロと学校帰りの生徒達が歩いている。
チャリでニケツしてる学生をみてると、時間が戻る気がする。
‥朝から変な事言い出すから思い出してま
うな。
遠くに見える高校を眺めて胸が傷んだ。偶然とはいえのり君は俺の後輩になる。
‥ホンマに1回厭がらせに練習見にイコかな
厭がった顔が浮かび、小さくクスッと笑う。
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