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俺の腕を痕がつく位にキツく力が入り責め立てる。
「ちゃう‥‥誰もけぇへん。‥貴史のや。‥‥ごめん、俺‥嬉して、浮かれて‥‥買い揃えたねん。‥‥もうそんな出過ぎた真似せぇへんか‥ら‥‥怒らん‥とってや。‥ごめん、‥」
叱られた子供のように涙が溢れてくる。
それを見て、しもた‥‥とゆう顔をした貴史が俺の肩を抱き寄せる。
背中を擦りながら、
「俺が悪かった。‥ごめん。泣かすつもりやなかってん。‥‥ただ、見た時に一裕に、他の誰かがおる気がしてん‥‥‥ホンマに、ごめん。」
何度も繰り返し俺に謝る。
「やってな、恥ずかしがり屋のお前が、普通にお帰りってゆうてくれて‥‥前回無かった茶碗とかもお揃いであるし、‥‥着替えも‥‥歯ブラシなんかも。‥ごめん。ホンマに、ごめん。」
俺を抱き締めたまま、片手を髪に差し入れて梳きながらひたすら謝る。
髪を梳く感触が心地よく口元に笑みが浮かんでしまう。
「‥ううん、ええ‥‥黙って勝手な事した俺が悪いねん。‥」
貴史の肩に顔を埋める。
「一裕、俺‥ホンマに最低やな。ちょっとお前が心開いてくれたら図にのって‥‥独占欲ばっかつよて。
けど、随分変わったらから‥‥心配やねん。」
「俺が‥‥か?」
驚いて顔を見る。
貴史は優しく微笑みながら頷く。
「あぁ、笑顔が‥‥増えてン。‥‥可愛いいねん。
今夜はずっと、笑てるやろ?
部屋も明るくなってるし、‥‥殺風景さがなくなってたから。‥」
「‥そうかな‥‥けど、貴史が傍に居ったら‥‥
嬉しいやん‥‥」
少し俯き照れながらゆうと、
「俺もそうやけど、‥今回はホンマに、‥ごめん。
アカンな、昔から全然成長してへんな。‥‥妬きもち妬きで。はぁ~、情けない。‥」
俺の前髪を人指し指で撫でながらまだ謝ってくる。
「もうええッて、‥貴史が迷惑や無いんやったら、それでええ‥‥気にしてへんから。
早ょ風呂入りぃや、風邪ひくで。」
上半身裸のままで抱き締められているとドキドキしてくる。
「ン、そうする。‥一裕、ありがと。」
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