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まっ、自分勝手な話や‥‥と頭を掻きながら、
「食うてもええンか?‥」と、嬉しそに笑う。
「ぅん。食べてや‥‥俺も一緒に食うから‥」
箱から二種類取り出して、
「どっちがええ‥」と訊くと
「‥食べさしてくれへんの?」と耳元で悪戯っぽく囁く。
「/////‥ン、特別な‥今日だけやで‥‥」
スプーンを手に取り一口分掬って口に運んでやる。
「ん~~!!ウマッ!」
頬っぺたを押さえて身体を揺する。
「大袈裟やなぁ~。ほら、‥あ~ン。‥」
「ン、‥やっぱ、美味いって。プリンが食えたッて、ゆうより一裕にこんなんしてもらえるなんて思わへんかった。」
何度か繰り返し食べさしてあげ、一個完食すると満足げに俺の肩にもたれて目を瞑った。
そういや、昔一度こんな風になった事あったなぁ。
あの時の貴史‥‥可愛いかったんや。
‥今みたいに。
文化祭の最終日。後片付けをして‥‥後夜祭やったかな。グランド一杯に灯りを灯して、要らん物をキャンプファイアみたいに燃やして‥‥
最初はその灯りを見てただけやった。
どちらともなく人の輪から離れて屋上へ行ったんや‥
星がムッチャ綺麗で‥‥
グランドの炎が地上に堕ちた星みたいで‥‥
隣にいた貴史の瞳もオレンジに輝いてて‥‥
目が合うと笑てくれて、俺の肩にもたれて目を瞑ったんや‥‥‥
凄い緊張したのを憶えてる。
俺‥いつもお前にドキドキしてたな。
お前の言葉や行動、声、仕草‥‥全てが俺にとって宝物やった。
ぼんやり昔を思い出していると、肩に体重がかかってくる。
‥クスッ、よっぽど疲れてんやな。寝てしもてるやん。
顔を覗き込むと、昔のままの寝顔‥‥よくサボって屋上で寝てた顔がある。
俺は昔の様にその寝顔にキスをした。
「ン、甘っ‥‥クスッ、口の端にプリン付いてるやんか‥」
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