季節外れの‥16

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「‥ぉん‥‥ 」 返事をしながら、貴史の顔を見ると、愛しそうに俺を見つめていた。 「‥また今度、ゆっくりと話しよや。 時間が勿体ない。‥俺‥一裕が欲しい。 一裕と‥‥感じあいたい。 なぁ…抱いてもええか?」 貴史の顔を見ると、目を細めて余裕のない表情をしていた。 ‥貴史が俺を求めている。 そう思った。 俺にも余裕なんてもんなかった。‥ けど、 「今夜は‥‥アカン‥。 やっぱり、ちゃんと話し合って子供に認めてもろてからやないと‥‥俺‥。」 ただでさえ、俺の部屋に泊まってるって事は今、一人きりで居るのだろう。‥‥ 子供が一人きりで‥‥ そう考えると‥ 「そっか‥‥一裕がそうゆうンやったらしゃぁない。 抱き締めるだけやったら‥‥かまへんか? その‥‥キスしたいンやけど、‥ 一裕が、俺のもんやって… せっかく、ちゃんと解り合えたのに‥なんも無しやったら寂しいやン。」 軽く唇をなぞられて、貴史の唇を見つめてしまう。 「‥貴史‥‥ンっ、‥俺も‥‥ぁ‥」 最後まで聞かずに唇を塞がれる。 咬みつくような唇は首筋から鎖骨に這っていく。 鎖骨を甘咬みされて思わず声が出る。 「‥ンっふ、‥ぁ‥貴、史‥‥」 唇がゆっくりと離れて 「‥ン?‥なんや?… そんな顔して‥‥そんな声で縋り付かれると、我慢できんで。‥」 そうゆうて前髪をかきあげた。 「貴史‥‥俺も‥でけへん。」 其れが合図かの様に、お互いに競いあうように、互いにキスを交わした。 一枚、‥一枚‥‥と、まるで桜の花弁が舞散ったかの様に、お互いの身体を染めていった。 その度に昔に戻る気がした。‥‥
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