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トゥルルル‥‥トゥルルル‥‥
「はい。」
「貴史?…」
「あぁ、何や? 忘れ物か?」
「ちゃうし‥‥あのな、気ィ付けて
仕事行ってらっしゃい。‥///」
緊張しているせいか、電話の声が裏返っている。
「クスッ、あぁ、行ってくるわ。‥一裕、ありがと。プリン、旨かったで。」
「ぅん。‥‥あのな‥‥貴史。‥‥」
また、何かを言い出しかねている。
なるべく威圧的にならないように優しく聞き返す。
「ン? 何やゆうてみ。何かあったんか?」
「‥ぅん、違うねん。‥‥
あのな‥‥ホンマに‥その‥俺ん家に‥‥」
「なんやねん。ウジウジして。はっきり言えや。」
「ま‥また、俺ん家に来てくれるよな‥‥
‥もしかして、‥‥最後やないよな‥‥」
不安気に訊いてくる。
「はぁ?まだ寝惚けてンのか?」
「‥やって、‥」
「あほくさ‥。一裕、俺言うたよな。‥好きやって、嘘やない。
そんなに信用ないか?‥
昨夜のお前は素直やったのに。‥俺に痕つけながら切なそに唇震わせて、俺の名前呼んで‥‥‥
お前の事を心配する俺の事が愛しい‥って
俺の事を‥‥愛してる‥‥って、ゆうてくれたやん。
嘘やったんか? ちゃうやろ?
今思い出すだけでも、仕事に行きたくなくなるやん。‥‥
心配やったら俺がつけた痕を見ィや。
リングも、持ってるンやろ?
‥‥お前は、俺のもんやから絶対に離さへん。
もう、何処にも行かさへん。
ええな。‥‥
今度は何処迄も追い掛けるからな。
やから、一裕は音無に俺の帰りを待っとたらええ。わかったか?」
「‥‥ぅん‥」
まだ少し信じきれてないようだ。
「あほくさ、落ち込むなや。‥‥
そやなぁ、お土産買ってきたるから。」
「子供とちゃうわ!」
「おんなじやんか。」
「‥ちゃ‥ちゃうわ。‥‥子供やないから、‥‥その‥‥なんや‥‥心配になるんや‥‥」
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