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「のり君お父さん迎えに行こうや」
「ナンやねん!それっ!子供扱いすなや!」
大笑いしながら慌てて着替えて出掛ける支度をする。
ピンポーンッ‥‥
急いでる時に限って来客。どうせ、宗教か新聞‥と思い覗くと、
‥えっ、新任の先生やン
「はいっ。」ドアを開けて再度驚く
「‥叔父さん?どうしたん」
「義行~誰なン?ウワッ‥校長先生やン。そっ
ちは新任やン。どうしたん?義行ナンかし
たン‥」
心配そうにコッチを見る。
‥あちゃ~、徳一にゆうてなかったな‥
「ちゃうよ。叔父さんや‥お父さんのお兄
さん。後で話したるから黙っときな。」
優しく言うと、奥へ引っ込んだ。
「友達かな? 出掛けるとこみたいやね。す
ぐ要件は済むから‥」と謝って来た訳を話始めた。
新任の先生が引っ越して来た先が、僕の隣部屋だったので何かあったら新任の先生に相談するように‥。
‥的な事だが、要は顔を見に来る口実だ。
「心配せんとってな。大丈夫やから。ナンか
あったら直ぐに報せるよってに」
照れくさかった。父に似た大きな手で頭を撫でられて
「解ってるけどなぁ、たまにはええやろ。
又、御飯一緒に食べよや。ウチのやつも会
いたがってるし」
「ありがとう。また連絡容れとくから」
ソレだけ言うと帰って行った。あとは、新任の先生だけや‥と顔を見ると、
にこやかに笑っていた筈なのに‥暗いッ‥‥
「あ‥あの先生?」
「いっ‥!? アッゴメンちょっと飛んでた‥
アハハ‥」
‥大丈夫やろか。学校で居った時と雰囲気
違うやン
待ちくたびれた徳一が後ろから急かす。
「はょ行こや~」
「アッ‥出掛けるンやったね。」
我にかえり、先生の顔になる。
「一応コレ。引っ越しの挨拶、マァそういう事
でよろしく頼みます。」と頭を下げた。
横から徳一が、
「先生~俺らスーパー行くけど行かへん?」
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