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「はぁ~、そこまで説明せなアカンのか?
‥‥可愛い、愛しい、って思ったンやったらそん時に言うたげたらええやん。
‥俺の事、そんなに心配か? って
そんな風に心配してくれるお前が愛しくて好きや。‥って」
義行は意味ありげに俺を見て笑う。
「クスッ、先生、昨夜ゆうてもろたんや。‥」
「ちゃっ!ちゃうわ!!アイツはゆうてへん。」
「ん?って事は‥‥‥先生が言うたんや。
ええなぁ。‥‥何か‥先生の恋って可愛いよな。
そうや、今朝部屋に相手の人まだ居ってくれたンやろ?」
「‥‥///。」
何もかも見透かされたようで黙ってしまう。
「恥ずかしがりの先生がそんな台詞ゆうなんて。‥よっぽど、すごい人なんやろな。‥
会ってみたいな。」
「あんまり、言わんとってや‥‥。わかってンねん。俺にはもったいない相手やて‥。」
「‥先生かてええ人やで。」
「‥俺は‥‥ええ人とちゃう。
ええ人やったらアイツの事諦めてる筈や。」
「又、そんな事ゆう。‥先生はもっと自分に自信持たなアカン。
やって、徳一の次に可愛いンやで。」
そう言って笑う。
「ホンマにお前は徳一が一番なんやな。‥」
「せやよ。当たり前やん。‥
ほらっ、徳一がこっち見てる。」
嬉しそうに窓から身を乗り出して手を振る。
そんな義行を見つめホッとした表情で又、ランニングに集中する。
‥まだ、俺と居るんが心配なんやな。
わかる気がするな。頭で理解してても心がな‥‥
ついていかへんもんな。‥一緒やなぁ。
走り続ける徳一をコーヒーを飲みながらぼんやりと見つめた。
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