季節外れの‥‥17

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一人きりの食事は味気無いものだった。 昨夜の事が嘘の様に思えるほど、寂しかった。 ‥貴史、 何度も携帯を開いてしまう。 ため息混じりに後片付けをして、もう一度携帯を確認。 ‥ハァ、かかってくるンかな。俺からなんか‥無理や‥‥ アイツの居ない日常が始まると思うと、段々と鬱々し始める。 風呂の準備をして入ろうとするが、視界の隅で、そこはかと無くアイツの気配を探してはため息をつく。 仕方なく風呂に浸かりながら考え込んでしまう。 ふと、相手を想う気持ちはいつだってイコールじゃないって事に気付かされた。 俺の方が>なのだ。‥ そう思い込んでいるだけかも知れない、‥けど、せめて‥‥俺が想っている半分でも想っててくれてンやろか? 別に俺の方が>でもいい。 深く愛してる俺の事を少しでも愛してくれるンやったら‥‥ 気遣ってくれている事は痛いほどわかってる。‥ けど、それは‥‥‥‥単に‥ アイツが〈結婚〉してるってゆう負い目からくる気遣いの気がしてたまらない。 ‥なぁ、そんなんや無いよな‥‥ 考えながらも無意識にリングに手がいき、身体に付いた痕をなぞる。 今はこれだけが真実のような気がして、‥ 大丈夫やよ‥‥って囁いているように思いながらも淋しくて自分自身を抱き締めてしまう。 ‥何で、こんなに弱なったンやろ。女々し過ぎんで‥‥ 今までは一人で生きてきた。 と思うと、こんな事位平気な筈やのに。 アイツを愛して、孤独を感じ始めている。 再会するまでは平気やった筈や。 俺はもう少し強かった筈や。 貴史、って呼ぶまでは、俺は淋しくは無かった筈や。 俺がアイツを愛して、また昔のように愛されたいと願う迄は、‥‥ 俺は一人で大丈夫やった‥‥ だけど今は‥‥‥ ‥‥今は‥淋しくて、切なくて、‥逢いたくて、‥ ‥声が訊きたくて、‥抱き締めて欲しくて‥‥ ‥‥一人は嫌や‥‥‥‥      ‥温かい手が恋しい。‥ ‥‥触れて欲しい‥‥      ‥貴史に触れたい‥ ‥‥胸が締め付けられて      ‥泣きそうになる‥‥‥‥
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