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「そ‥‥そうやったンや‥‥俺、そんなつもり全然‥‥‥したつもりもなかった‥‥」
「やろうな、‥‥でも、それで良かったンや‥俺も考えさせられたし‥‥
色々と。一裕の事を。
だからこそ、今こうして電話ででも‥お前を口説けるンやし‥‥。」
「‥ン‥ごめんな‥‥。」
「ええって‥その代わり、浮気なんかしたらアカンで。」
「はぁ?何やねんな、それは。‥‥俺がするように見えるンか?」
いきなりの妬きもちで胸の奥がくすぐったくなる。
「フフン、俺の情報網なめたらアカンで。‥‥一裕や、学校で人気あるらしいな。
それに、女教師に告られたらしいな。
返事したん?」
解りきった答を聞き出そうとする意地悪さを感じるが、それすら耳に心地よい。
「なっ‥何で知ってンねん。‥‥
俺、返事何かしてへんし。‥俺には‥‥その‥‥貴史が‥///‥」
照れてしまい続きが言えない俺に、「まぁ、ええわ。」と笑いながら呟く。
「けど、お前益々色っぽくなったって噂されてるらしいな。
誰がそうさせたんやろうって‥」
「アッ、アホな事ゆうなや。‥‥カマばっかりかけんなや。ちゃうからな。‥
もし、‥そうやったとしても‥‥貴史が悪いンやからな‥。」
「何で? 俺まだ手出してへんやん。」
悪びれもせずゆうアイツに、
「ちゃうやん、前に昼休み電話してきたやん‥‥あの時、‥‥生徒達に聞かれてたから‥‥」
「あぁ~、あの時か。悪かった。」
言い返す言葉を見つけられない俺に、
「‥ごめん‥‥でも‥逢いたいな‥‥顔見て話したい。
お前の温もりを忘れそや。‥‥」
打って変わっての淋し気な口調が俺を素直にする。
「ぅん、俺もや。‥何もいらんから、逢いにきてや。‥俺、待ってるから‥‥。」
最後はいつもと同様に、逢いたい、待ってるから‥で、会話が終わる。
それが今回は違った。
嬉しいニュース付きやった。‥
朝に、今週末に仕事が一段落して帰ってくると、短い電話があった。
‥金曜日に帰って来るんや。金曜日は創立記念日で休みやし、土日も‥‥
そんな事を考えると浮き足たってくる。
その日の夜、今週末から本社勤務で1-2 ヵ月は普通のサラリーマンの様に定時に上がれるらしい事を訊く。
と、ゆう事は仕事終わりにでも逢えるンや‥‥‥
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