季節外れの‥‥2

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全くコイツはいきなり何を言い出すか解らへん。先生は少し困ったように考えてから 「邪魔者とちゃうんか?」とボソッと聞いた。 「ナッ‥ナンで? 」焦ってしまう。 「イヤな、何となくや‥」 ‥中々鋭い先生や、 顔を紅くした徳一が、 「先生、この辺知らんやろ。やから、案内  したろかなって」 「そうやね、先生も一緒に‥」 言い出した二人の顔を見比べて、フワッと笑い。 「ありがと、助かるわ。アテにしてた店が潰  れて無くなってたから‥」 財布と鍵取ってくるからと部屋に戻っていった。 僕も、上着をはおり出掛ける支度をする。徳一は既に下に降りて待っている。 鍵をかけ、先生とゆっくり階段を降りる。 「先生、前にこの辺に住んでたン? 」 「いや‥あの学校の卒業生やねん‥」 あまり話したがらないように感じて、 「先生‥知られたないン?」ストレートに聞いてしまった。 驚いた顔をしたが直ぐに首を横に振り 「ちゃうよ‥色々あんねん」 待ちくたびれてイライラし出した徳一が、 「先に行くでぇー!オヤジ帰ってしまうやン」 自転車で行ってしまった。 ナンヤカンヤゆうてもオヤジ大好きッ子やから‥ 後ろ姿を見送っていると隣の先生も目を細めて見送っていた。 懐かしそに‥寂しそに‥   いとおしそに‥ まるで片想いみたいに‥ 「‥色々って‥恋愛関係なンや‥」 「中々鋭いな‥君もやろ? けど君と彼は両  想いやね。お互いを信じてる感じやな。」 「鋭いのは先生や。誰にもゆわんとって、  アイツの泣くとこ見たないねん。」 「ゆわんよ。誰でも好きな人を泣かせたな  いし、大切な想いを人から否定されたな  いしな。」 低い声で淡々と約束してくれた。
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