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隣に座り、「何や?」と、訊くと、
「えっ、‥あ‥‥先生の相手の人?」
「‥///‥ぅん。」
照れながら応えるのも気にせずに
「そうなんや‥‥なぁ‥貴史ってゆうてたやんな。」
「‥ン‥誰にもゆうなや。」
「ぅん。ゆわへんけど‥‥訊いた名前やねん。」
そう言ってまた、考えだす。
「なぁ‥名字はなんてゆうン?」
「あっ、‥アホか、ゆえるか。」
動揺する俺を一瞥して、
「そっかぁ、先生絶対にゆわんよな。‥
って‥ぁあー!‥思い出した。」
仕事に取りかかり始めた俺は、突然の大声に飛び上がる。
「何やねん、デカい声出して。‥」
不信感を露にした俺に挙動不審な義行が取り繕う。
「いや、あのな‥‥ン、なんもない、アハハ。」
笑って誤魔化す義行の頭の中に一人の人物が浮かんだ。
‥そうやんな。おじさんの名前‥‥確か、
貴史‥やんな。
帰りに徳一に訊こ。
と、思うと何故か顔がニヤつく。
「何やねん、ニヤニヤして‥気持ち悪いな‥‥」
双眸を歪めるが、そんな俺を気にも止めずに
「ン‥まぁ、ええやん。‥‥そっかぁ~。」
独り言を小さく呟いた。
‥ぅん、おじさんやとええのにな。
そんな義行です眺めながら、
‥何や、悪趣味な笑いやな。
と、俺も小さく呟いた。
「せやっ、さっきの電話なんて?」
「‥ン?‥‥まぁ、帰ってくる話や。‥って、お前に関係ないやろ。」
俺の言葉を無視して、
「迎えに行くん? 具合悪いンやろ?」
「あぁ、かなり体調悪いみたいやからな。‥」
「そっかぁ、‥心配やな。
じゃぁ、先生は看病すんの? 相手の家に行って。」
「行かへん。‥‥やって、俺ン‥ぁあもう、ええやん。ほっとけや。」
思わず、俺ン家に一番に帰ってくるってゆう約束を口を滑らしそうになる。
「フーン、‥何や、意味深やな。」
‥まっ、帰りに徳一におじさんが体調崩して無いか訊いてもらお。
何か企んでいる顔をしてる義行を横目に、何とか予定していた全ての仕事と+αをこなす事が出来た。
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