季節外れの ‥‥19

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「‥なぁ、まだ義行は‥‥‥ 俺のもんなん?‥‥‥ ただの‥‥友達になってしもたン?‥‥ グスッ‥」 情けない声で呟き僕を睨み付け感情が露になる。もう、止める事が出来ない。 「‥でも俺、我儘やねん。‥自分勝手やねん。‥ イヤや、‥イヤやーー!! 友達になんかにならへん!‥‥ 義行は‥‥義行は、俺のもんや! 同情でも何でもかまへん。‥傍に居ってくれるンやったら、‥ だから、‥俺は‥義行を自由になんか‥‥ させへん!‥‥ずっと、‥ずっと、傍に‥‥」 堰をきって想いが溢れだす。‥ 「徳一、好きやよ。‥今も、これからも。‥ずっとや。‥ 喩え嫌われたとしても、罵られたとしても、‥僕は徳一の傍に居るンが幸せやねん。 やから、‥僕の許さへんかっても‥‥僕は、」 僕も想いを吐き出す。 「‥俺も義行が好きや。‥義行の傍で居る時が一番幸せやねん。‥ だから、‥もう二度と言わへんから。 ‥帰らんとってや。‥もう絶対に言わへんから‥‥ もし、また俺とどんな喧嘩しても、‥俺から離れンとってや‥‥ 俺の事抱き締めて‥‥この腕の中で我儘ゆわせてや。‥‥そうでないと‥ 俺、‥‥壊れてしまう。‥‥」 僕の言葉を遮り抱き付きながら、切なく訴えてくる。 「僕の事許してもらえるン?」 「‥ン、許すも許さへんも無いから。‥‥ 俺が悪かったねん。」 そう言って僕を見上げて微笑む徳一が義行にとって、可愛いくて愛しくて‥‥ 護るべき存在だと改めて思いしった。 「‥可愛いな、徳一は。」 「フンッ、‥俺は可愛いく無い。‥‥やって、先生みたいに頬染めて恥ずかしがるなんて事でけへんし、ずっと、相手の事待ってるなんて事でけへん。」 なんやかんや言ってもまだ少し嫉妬している徳一が益々、可愛いく思え抱き締めていた腕に力が入る。 「ううん、可愛いよ。‥こんな僕をそんなに想ってくれてて‥嬉しい‥ 離れンとってやってゆうてくれる徳一が愛しい‥‥ ホンマに好きや。‥妬きもちまで妬いてくれて‥ 徳一、可愛いい‥‥ホンマに好きやよ。‥ なぁ、‥‥キスしたい‥‥ええ?」
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