季節外れの ‥‥19

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僕の胸に顔を埋めるようにしてシャツで涙をガシガシ拭いた後、上をむき頬を紅くして 「‥訊くなや。‥恥ずかしぃ奴やな。‥」と‥、毒を吐く。 「そんな徳一も、可愛いいから‥ 徳一は僕のもんやで、‥なぁ憶えてる‥‥約束。 僕だけを見てや。‥」 そう言って唇を舐める。徳一の身体がビクッと小さく震えため息が洩れる。 「‥ン、‥ふぁあ、‥‥アン、‥ン、」 そのまま唇を甘咬みすると、鼻にかかった色っぽい声がまるで嬌声の様に切なく訴えてくる。 「よぉ、‥ン、よし‥ゆきぃ‥‥やっ、ンふ、‥咬まんとってやァ、ァあ‥‥ンっ、ちゃんと‥‥ちゃ‥ンっ、と‥キスして‥やァンっ。‥」 素直になった徳一が滅多にしないおねだりをするのが嬉しくなる。 「ンっ、‥」と‥返事をしていつもの様に包みこむ様に、何度も交わす。 そして徳一の髪を梳きながら長い間、温かさを感じていた。 「なぁ、何で‥枕を抱き‥‥」 「うっさい!!」 言いかけた言葉を遮る。こんな時は最大限に照れている証拠だ。 「教えてや。‥僕、徳一の事何でも知りたい。」 「‥‥笑わへん?」 「ぅん、笑わへんよ。‥」 余りに念を押すので余計に気になってしまう。 「あのな、義行が居らん時な、‥いつも抱いてンねん。」 「何で‥?」 「抱いてたら‥‥義行の匂いがすんねん。 そしたら、凄い切なくなるンやけど‥‥それ以上に傍に居る様な気がして、 安心すんねん。‥やから、‥」 「そうなんや。‥ホンマ、可愛いい事して‥」そう言って頭を撫でると、僕を睨み付けた。 「///‥止めィや。‥」悪態を吐きながらも話を続ける。 「けどな、‥‥今も抱いてたんやけど‥いつもとちゃうねん。‥ 凄い切ないンやけど‥‥情けないねん。‥ ほんで、‥‥涙しか出ぇへんかってん。‥ ‥もう‥よし‥ゆきと‥‥アカンくなって‥ ‥もう‥逢えんと‥思た。‥‥」 やっと、涙が止まった筈なのにまた溢れだす。 「泣かんとってや。‥僕、もっと大人になるから‥‥徳一を護れるくらいの大人になるから。‥なっ。」 「‥ぅん、‥でも俺を置いてきぼりにせんとって。 一緒に大人になろや。‥」 そう言って、きつく抱き締めあった。
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