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「ごめん、やって先生が前にゆうててン。‥徳一が自分に似てるって。」
「俺が? 先生にか?‥‥全然似てへんよ。」と、プゥとほっぺを膨らまして睨む。
「アハハ、やっぱり似てる。‥徳一の方が可愛いいけど、‥」
「俺、オカマとちゃうし。」
「じゃァ、先生はオカマなん?」
「ちゃうけど、‥色っぽいもん。‥仕草とか、その‥‥雰囲気とか。
いつ義行が先生の方にいってしまうか不安なんやで‥‥」
僕の肩に頭を預けたまんまで僕を見て拗ねる。
「クスッ、心配せんでもええンやで。‥保健室から見える徳一はムッチャ格好ええから、‥
僕いつも惚れ直してるンやで。」
「///‥アホっ! そんなんゆうなや。‥恥ずかしぃやん。‥
けど、俺とどこが似てるン?」
「せやな、‥相手への想い方らしいわ。‥
訊いた時はようわからんかったけど、今日ようやくわかった気がするねん。
僕が先生を気になる理由とか。」
変に勘繰らない様に言葉を選びながら話をつづける。
「好きな相手に心配かけんように、‥迷惑にならんように、
‥自分自身が我慢して、溜め込んで、‥気丈になってしまう。
‥それで悪い方に考えてしまう。
そんなとこや。‥
やから、憎めンのは‥可愛いく思うンは‥‥
徳一と重なるからなんや。‥って。」
「俺は可愛いいとこなんか無い。
俺は我儘やもん。‥」
「クスクス、‥ホンマやな。おじさんかなり甘やかしたみたいや 。」
笑ってはみたものの、沁々と徳一は大事にされてたンやと感じた。
そして、そんな徳一をこの僕がこれからも護って行けるのかと‥‥不安になる。
でもその事が幸せに感じているのも確かだった。
そんな事を考えて徳一を見ると、ただ、嬉しそに僕の手を握っていた。
僕の腕の中でずっと手を握っているのが可愛いくて‥‥でもそれを言ったらその手を離しそうで言えないまま、徳一を片手で抱き締めていた。
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