季節外れの ‥‥19

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不意に、「先生の相手ってホンマにオヤジなん?」訊いてくるので、また勘違いされないように、 「ぅん、わからへんけど、多分、‥‥やから、徳一におじさんが体調崩してないか訊いて貰ぉかなって‥」 「そうやったンや、‥でも訊いても素直にゆうオヤジやないで。‥ やって、前に仕事先で倒れた時も黙って入院して退院してきたやん。‥なっ。」 「そうやよな。‥‥先生も言わんし。‥‥ でももしそうやったら、何の遠慮も無しにここに住む事出きるンやけどな‥‥」 思わず本音が出てしまった。 それを訊いた徳一が目の色を変えて僕を問いただす。 「マジ!? 義行、一緒に住むン?‥なぁ、いつ?!いつからなん?」 ‥しまったなぁ、まだ決心ついてないのに‥‥ 「ぅ、うん。‥おじさんがな、春休み位に引っ越してこいって‥‥ゆうてくれたンやけどな‥‥」 余り乗り気じゃない様な僕を見て淋し気な徳一が、 「‥も‥もしかして‥‥イヤなン?‥‥俺と暮らすの‥が、嫌?‥」 涙声できいてくる。 慌てて泣きそな頬にキスをして 「ちゃうよ。ホンマに凄っい嬉しいねんで。 ‥けどな、おじさんの彼氏は嫌やろうな って‥‥ 僕なんかの他人が居ったら、気ィ遣うやろ? やから、相手が先生やったらまだ、気兼ねせんでええかなって‥‥」 それを訊いた徳一は 「関係ないやん! オヤジの彼氏の事はオヤジに任せといたらええねん。‥ 俺は一緒に暮らしたい。‥ なんやったら、義行のアパートで一緒に暮らしてもええねんから。」 あんまり必死で力説するので、 「クスッ、‥せやな、僕は徳一の事だけ考えてたらええンやな。‥ありがと。」 「じゃァ、どうすん?」 「ぅん、取り敢えずおじさんに返事してから春休みにでも‥‥少しづつ荷物運ぼかな。 僕も早ょ一緒に暮らしたいし、‥‥それに‥」 そう言って口を噤むと、 「それに‥何? 途中で止めンと最後までゆうてや。‥」 「ン?‥ぅん、‥もう帰れや。なんて言われんで済むな。って‥」
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