季節外れの ‥‥20

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アイツが煙草を消すのを合図の様に俺は傍に座る。 額と額をくっ付けて熱を見る。 「一寸ましになったみたいやな。‥」 「せやな、大分気分がええ。‥」 「無理すんなや。‥今日はもうゆっくり寝たらええから‥」 「あぁ、そうさせてもらうな。」 そう言って素直にベッドに戻る。 風呂に入ろうかと着替えを用意してもう一度様子を窺うと、薬が効いているのかスヤスヤと眠っている。 俺は安心してお風呂に入り貴史の傍に座る。 「そや、」 俺はバケツにお湯を汲みタオルを用意して傍にいき声をかける。 「身体拭こか?‥汗もかいたやろし、このままやと気持ち悪いやろ。」 「ン? あぁ、そやなぁ。‥‥けど、そんなんされたら俺我慢出来へんで。」 と、ニカッと笑う。 「アホか。///‥そうゆう事やなく。‥」 「クスクス、わかってるって‥‥」 起き上がり上半身裸になる。 「一寸寒いけど辛抱してや。」 熱いめのタオルで身体を拭き始める。身体が冷えない様に別のタオルを身体にかぶす。 「自分で拭けるで。」 「ぅん、わかってる‥‥けど、」 「ありがと。‥‥ええ気持ちや。一裕の時は、俺がしたるからな。‥」 「ぅん、‥けど、お礼なんかゆわんとってや。俺が我儘ゆうてしてる事やし‥‥。」 「そんな事ないで。‥俺も甘えてるし‥‥ なぁ、‥治ったら俺ん家に来てや。‥そやないと‥‥隙だらけのお前を襲ってしまうで。 かまへんか?‥」 「‥ぅん、‥」 「クスッ、‥襲ってもええンやな。」 「えっ?‥///‥ちゃうって、その返事やないって‥」 慌てて言い直そうとするのを遮られて、 「なんで?‥俺前にゆうたやん。身体洗って待っとけって‥‥やから、風呂入ったンやろ?」 と、意地悪く言いつつ、俺のまだ渇ききっていない髪に手を差しいれる。 「‥ぅん、‥‥そやけど俺‥‥やっぱり子供の事が気になるし‥‥ もし‥‥もしも、お前が子供から軽蔑されたりなんかしたら‥‥」 「そんな子やないから‥心配すんなや。 やって、俺等の事応援してくれてンやで。」と、可笑しそにゆう。 「‥なっ、‥なんでなん?」 「俺等の間に隠し事無し。って関係で育ててきたからな。‥やから、ほとんどの事は話してるし‥‥ アイツ の事も俺は把握してるし‥‥ やから、ホンマに心配せんでええねんで。」
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