季節外れの ‥‥20

11/16
前へ
/343ページ
次へ
「なぁ、‥何時頃行くん。」 「せやなぁ、2時くらい‥‥いや、もうちょっと早ょにしよか。 時間が惜しいしな。」 トーストにジャムを塗りながら話は進む。 「ほなっ、お昼頃か?」 「あぁ、そうしょうか。‥‥ 連絡いれとかなアカンな。アイツら直ぐに遊びに行ってまうしな。」 食べかけのトーストを咥えたまんま携帯を取りに行き電話をかける。 「‥あぁ、俺や。お前ら、今日は家に居れよ。」 『何でなん?‥まさか、帰ってくんの?』 「嫌なんかい。‥」 『そんなんや無いって。義行とちょっと出掛ける話してたから‥‥』 「まぁええわ。‥今な、俺‥‥何処に居ると思う?」 その言葉に俺は慌てて小さな声で 「アホ!‥‥そんなんゆうなや。」と囁く。 『誰か傍に居るン?‥』 「ン?別に。」 と、クスクス笑いが漏れる。 『何時頃なん?‥お昼用意しとかって、義行訊いてンで。』 「そうやなぁ、‥ちょっ待ってや。」 携帯の口を塞いで俺に向きを返し訊いてくる。 「昼飯どうする?」 「えっ?‥あぁ、どっちゃでもええけど‥用意させたら可哀想やろ。」 「気ぃ遣うか? 」 「まぁな‥‥」 そうゆう俺の頭を撫でクスッと笑って、 「飯の用意ええわ。‥こっちから出前頼んどくから‥お前らも食べんと待っときや。」 『ぅん、わかった。‥気ぃ付けてな。』 携帯をきる横で大きな溜め息をついてる俺に気付く。 「どないしてン?‥」 「えっ、‥ちょっ、‥緊張してきてン。」 「ハハハ、大丈夫やって。お前は俺の横で笑てたらええンや。‥なっ。」 「う‥ぅん。」 ‥それはわかってンやけどなぁ‥‥ おかわりのコーヒーを淹れてまた、小さい溜め息を付きながらアイツを見ると、もう既に鞄から手帳を取り出し仕事のスケジュールを確認し始めていた。 「なぁ、‥今週は仕事なん?‥」 「ン?‥いやな、病気やったから先に調整してたンやけど‥メールがはいっとったから。 ‥はぁー!!何っ!やねん!」 いきなり大きな声を上げる。 「‥ど、どないしたン?‥」 「あ゙ぁーくっそぉー!‥‥いっぺん社に来いって。‥アホぬかせ。何が8時やねん。 誰が行くか、ボケが。」 ‥言葉の悪いの変わってへんな。 「クスクス、口悪いなぁ、‥仕事やったらしゃぁないやん。 俺、紹介してもらうだけでかまへんし。‥仕事を優先せな。」
/343ページ

最初のコメントを投稿しよう!

44人が本棚に入れています
本棚に追加