季節外れの ‥‥20

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「俺は自分からお前に飛び込んでいったと思てる。 俺は自分自身で決めてン、‥貴史だけやと。 やからな、‥こうして一緒に座って日向ぼっこしてるだけでも、‥ 胸が痛なるほど切ないねん。 いつまでも、‥‥こうしていたいねん。‥」 ボソボソっと、今の気持ちを正直に吐き出す。 アイツはゆっくりと俺の方に向き直りいつもの笑顔になる。 「そっかぁ、‥‥俺ずっと気になっててん。 はっきりと訊いてスッキリしたわ。 ほなっ、俺は昔のまんまでええンや。‥‥ 一裕、‥‥黙って俺の横に居れ。そんで、ずっと‥笑ててや。 俺はお前を幸せになんかようせん。 けどな‥俺は幸せになれるんや。誰よりも、‥‥」 「ンフフ、‥///‥貴史が幸せやったら俺も、‥‥ 幸せや。‥ ‥‥やから、もう‥‥さよならはゆわんとってや。 離れんとってや。‥」 「あぁ。」 二人とも誓いの様に煙草の火を消す。 「せやっ、忘れるとこやった。」 いきなり立ち上がる俺を不信そに見上げ「ン?」と短く返事をする。 俺は冷蔵庫に行き小さな包みを取り出す。 「ほらっ、約束してたやン。‥チョコレート。‥ 買ったやつで悪いけど‥‥」 「ホンマに俺の分あったんや。ありがと。‥ 開けてもええ?」 嬉しそに俺を見上げる。 「あぁ、ええよ。」 包みを大事そに開け、 「俺な‥てっきりまた、ケーキ焼いてくれるンかな?って思てた。」の笑う。 「まさか。‥あれ、甘かったやんか。」 「そうか?旨かったで。‥‥それに、初めて焼いたンやろ?」 「まぁな。‥そやけど。‥‥ 今度は、ちゃんとマシなの作るな。」 その言葉にパァーっと満面の笑みで 「マジ?‥やったぁー!ホンマに焼いてや。」 「ぅん、そんなに喜んでくれるンやったら、 ‥‥いつでも」 訊いてる俺が照れる位喜んでいる。 そんな俺を後目に、チョコレートを1つ口に運ぶ。 「ウマッ。」と笑い、もう1つ。 口に入れたかと思うと 、チョイチョイと人指し指で俺を呼ぶ。 「ン?何?‥」 傍に座るといきなり唇を重ねられて口の中にチョコレートが溶け込んでくる。 「///‥‥」 何も言えない俺に、 「なっ、‥旨いやろ?」と笑う。 そして大事そに冷蔵庫になおす。 こっちを振り向いてニカッと笑い、 「食べんなや。」と一言。 「誰が食べるか!‥‥って、持って帰らへんのか?」 「あぁ、ここでお前と一緒に食べたいからな。」と俺の耳元で囁く。
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