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「俺は自分からお前に飛び込んでいったと思てる。
俺は自分自身で決めてン、‥貴史だけやと。
やからな、‥こうして一緒に座って日向ぼっこしてるだけでも、‥
胸が痛なるほど切ないねん。
いつまでも、‥‥こうしていたいねん。‥」
ボソボソっと、今の気持ちを正直に吐き出す。
アイツはゆっくりと俺の方に向き直りいつもの笑顔になる。
「そっかぁ、‥‥俺ずっと気になっててん。
はっきりと訊いてスッキリしたわ。
ほなっ、俺は昔のまんまでええンや。‥‥
一裕、‥‥黙って俺の横に居れ。そんで、ずっと‥笑ててや。
俺はお前を幸せになんかようせん。
けどな‥俺は幸せになれるんや。誰よりも、‥‥」
「ンフフ、‥///‥貴史が幸せやったら俺も、‥‥
幸せや。‥
‥‥やから、もう‥‥さよならはゆわんとってや。
離れんとってや。‥」
「あぁ。」
二人とも誓いの様に煙草の火を消す。
「せやっ、忘れるとこやった。」
いきなり立ち上がる俺を不信そに見上げ「ン?」と短く返事をする。
俺は冷蔵庫に行き小さな包みを取り出す。
「ほらっ、約束してたやン。‥チョコレート。‥
買ったやつで悪いけど‥‥」
「ホンマに俺の分あったんや。ありがと。‥
開けてもええ?」
嬉しそに俺を見上げる。
「あぁ、ええよ。」
包みを大事そに開け、
「俺な‥てっきりまた、ケーキ焼いてくれるンかな?って思てた。」の笑う。
「まさか。‥あれ、甘かったやんか。」
「そうか?旨かったで。‥‥それに、初めて焼いたンやろ?」
「まぁな。‥そやけど。‥‥
今度は、ちゃんとマシなの作るな。」
その言葉にパァーっと満面の笑みで
「マジ?‥やったぁー!ホンマに焼いてや。」
「ぅん、そんなに喜んでくれるンやったら、
‥‥いつでも」
訊いてる俺が照れる位喜んでいる。
そんな俺を後目に、チョコレートを1つ口に運ぶ。
「ウマッ。」と笑い、もう1つ。
口に入れたかと思うと 、チョイチョイと人指し指で俺を呼ぶ。
「ン?何?‥」
傍に座るといきなり唇を重ねられて口の中にチョコレートが溶け込んでくる。
「///‥‥」
何も言えない俺に、
「なっ、‥旨いやろ?」と笑う。
そして大事そに冷蔵庫になおす。
こっちを振り向いてニカッと笑い、
「食べんなや。」と一言。
「誰が食べるか!‥‥って、持って帰らへんのか?」
「あぁ、ここでお前と一緒に食べたいからな。」と俺の耳元で囁く。
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