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こんな他愛もない会話をしていると、不思議ともう何十年も一緒に暮らしている様な錯覚に陥る。
でも、時間は刻々と過ぎて、
──お昼前‥‥‥
‥どうしょ。いよいよや。‥
急にソワソワしだした俺を横目にアイツはTVをみだしている。
「なぁ、‥‥何か手土産あった方がええよな。」
「ン?いらんよ。」
「けど、‥‥お前の、その‥‥奥さん‥‥に、ちゃんと挨拶したいし、‥‥
それに、子供らにも‥‥初めてやのに。」
「大丈夫やって。」
そういいながらも俯きがちな俺に、
「気にすんやったら、プリンでええで。」
「そうなん?‥」
「あぁ、充分やで。‥‥それにしても、心配しィやな。」と笑う。
「なぁ、‥‥幾つ位なん?‥‥男の子?女の子?」
「ハハハ、訊かへんのとちゃうん?」
「ン、まぁそやけど。‥‥訊いといた方が緊張せんかなって‥‥」
前髪を弄りながらゆう俺に
「おんなじやと思うけどなぁ。‥まぁ、1つだけ教えよか。
男の子やで。‥‥それと、俺の息子は一人や。」と、ドヤ顔で答える。
「?‥何でなん?さっき電話でお前らってゆうてなかったか?」
「そや。‥まぁ仲良しの奴が一緒やからな。」
「?じゃあ、友達居るん?‥‥そんなん、俺無理‥‥絶対に無理‥」
「アハハ、しゃぁないやん。」
「もしかして、‥その友達にも紹介すんの?‥
アカンって‥‥ホンマに、無理やぁーー‥」
「心配無いって。そいつにも知っといてもらわな、後々面倒やし。‥‥
それに黙ってても直ぐにわかることやし。‥」
そう言って笑い飛ばされる。
「ン、‥‥貴史の大事な子供の友達やもんな。‥
俺、その子にも嫌われん様にせなアカンな。‥」
「ハハハ、二人ともええ子やから直ぐに仲良ぉなれるって。‥なっ。」
そんな話をしながらも、ふと思い出した様に、
「なぁ、‥あの時‥‥俺が一裕と逢って話したいってゆうた時。‥」
「ン?‥‥いつ?」
「ほら、ドタキャンされた時や。‥‥
お前、俺の後ろ歩いてたやン?
家の方向違うよな。‥‥何でなん?」
まさかの質問に上手く答えられない。
「‥ぁ、‥留守電入ってたやろ、‥それでな、‥
あのな、‥その時コンビニで俺居ってン。
お前、気ィ付いてなかったから、‥‥
でも、‥その、お前の顔が見たくて、‥そんで、‥その、‥つい‥‥後を、‥‥」
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