季節外れの ‥‥21

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「義行!オヤジ帰ってくんやって。」 「うん、えらい急やな。‥何かあったンかな?」 「ン?‥わからへんけど、何や意味深やったで。 やって、‥今、何処に居ると思う?って訊くンやで。 それにな、何か誰かが傍に居るみたいやったし‥‥」 小首を傾げながら二人は考える。 「変やな。‥」 「ぅん‥ほんでな、お昼出前取るからって。‥ 必ず家に居れよって‥」 「益々、怪しいやんなぁ。‥」 いくら考えても全くもってわからない。 ただ、事の重大さだけは何となく感じていた。 「でも、折角今日は先生の所へ二人で行って確めよ。ってゆうてたのにな。」 残念そに徳一がゆう。 「せやな、けどおじさんが帰ってくるんやったら‥ 直接訊いてみィひん?」 「何て訊くンや。‥オヤジの彼氏、先生か?って‥」 「いや、そんな直接やなく。‥何の仕事?とか、何処に住んでンの?とか‥‥」 「そやな、‥ええ考えやんか。‥お昼食べながらやったら訊きやすいし‥‥」 そんな相談をしながら、昨日二人で買ってきたお揃いのブレスレットをお互いにつけあう。 「これで徳一は僕の彼氏やで。」 「///‥ぅん‥義行も俺の彼氏やで。」 「うん。‥」 二人とも嬉しくて、照れ臭くて顔を見合わせて笑う。 そんな甘い時間を過ごしていると、 ピンポーン、ピンポーン 「はぁーい、‥徳一出前届いたで。」 俺は食費の入った財布を持って玄関に。 「いくらですか?」 「丁度、一万円です。」と営業スマイルで答える。 二人顔を見合わせて、「嘘‥‥」と、呟く。 配達された物をみると、‥‥量がとてつもなく ‥‥多い。 「注文、‥間違えてへん?」 「おおてますよ。電話で訊いた通りですが‥‥」 「‥ン゙‥全く、オヤジは何を考えてンねん。」 ブツブツ言いながらも精算を済ませて、 「毎度ありがとうございます。」と、営業スマイルで帰っていった。 二人でもう一度顔を見合わし‥‥ 「いつものとランクがちゃうよな。」 「ぅん‥‥何か高かったし‥量も‥」 出前とはいえ、キチンとした桶に入った寿司。 しかもどう見ても三人前ではない。‥ いくら二人が食べ盛りだろうが無理な量だ。 「‥?‥どうゆう事なん?」 「わからへんよな。‥‥でもおじさんが注文したンやろ?」 「ぅん‥」 二つの桶をそれぞれ持ちキッチンに行くが、置いておくには少し無理があり仕方無くリビングに用意する。
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