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「義行!オヤジ帰ってくんやって。」
「うん、えらい急やな。‥何かあったンかな?」
「ン?‥わからへんけど、何や意味深やったで。
やって、‥今、何処に居ると思う?って訊くンやで。
それにな、何か誰かが傍に居るみたいやったし‥‥」
小首を傾げながら二人は考える。
「変やな。‥」
「ぅん‥ほんでな、お昼出前取るからって。‥
必ず家に居れよって‥」
「益々、怪しいやんなぁ。‥」
いくら考えても全くもってわからない。
ただ、事の重大さだけは何となく感じていた。
「でも、折角今日は先生の所へ二人で行って確めよ。ってゆうてたのにな。」
残念そに徳一がゆう。
「せやな、けどおじさんが帰ってくるんやったら‥
直接訊いてみィひん?」
「何て訊くンや。‥オヤジの彼氏、先生か?って‥」
「いや、そんな直接やなく。‥何の仕事?とか、何処に住んでンの?とか‥‥」
「そやな、‥ええ考えやんか。‥お昼食べながらやったら訊きやすいし‥‥」
そんな相談をしながら、昨日二人で買ってきたお揃いのブレスレットをお互いにつけあう。
「これで徳一は僕の彼氏やで。」
「///‥ぅん‥義行も俺の彼氏やで。」
「うん。‥」
二人とも嬉しくて、照れ臭くて顔を見合わせて笑う。
そんな甘い時間を過ごしていると、
ピンポーン、ピンポーン
「はぁーい、‥徳一出前届いたで。」
俺は食費の入った財布を持って玄関に。
「いくらですか?」
「丁度、一万円です。」と営業スマイルで答える。
二人顔を見合わせて、「嘘‥‥」と、呟く。
配達された物をみると、‥‥量がとてつもなく
‥‥多い。
「注文、‥間違えてへん?」
「おおてますよ。電話で訊いた通りですが‥‥」
「‥ン゙‥全く、オヤジは何を考えてンねん。」
ブツブツ言いながらも精算を済ませて、
「毎度ありがとうございます。」と、営業スマイルで帰っていった。
二人でもう一度顔を見合わし‥‥
「いつものとランクがちゃうよな。」
「ぅん‥‥何か高かったし‥量も‥」
出前とはいえ、キチンとした桶に入った寿司。
しかもどう見ても三人前ではない。‥
いくら二人が食べ盛りだろうが無理な量だ。
「‥?‥どうゆう事なん?」
「わからへんよな。‥‥でもおじさんが注文したンやろ?」
「ぅん‥」
二つの桶をそれぞれ持ちキッチンに行くが、置いておくには少し無理があり仕方無くリビングに用意する。
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